OTCを活用した薬剤師の新しい役割を検討へ(米FDA)

 米国の医薬品の分類(カテゴリー)というと、処方せん医薬品と一般の商店でも販売が可な非処方せん薬の2つしかありませんが、米FDAでは、薬剤師の職能と最新のテクノロジーを活用して、第3のカテゴリーの検討に乗り出しています。

 しかも、この新しいカテゴリーは、高血圧・喘息・高コレステロール血症や偏頭痛など、未治療の疾患に対しての治療にも対応しうるというもので、かつて提案されたBehind-the-counter とは一線を画した構想となっています。

 FDAではこの構想について、広く国民に意見を求めるとともに、3月22日・23日の2日間にわたり、公聴会を開催すると27日の官報で発表しています。

Utilizing Innovative Technologies and Other Conditions of Safe Use To Expand Access to Nonprescription Drugs
(NEWS & Events 2012.02.27)
http://www.fda.gov/Drugs/NewsEvents/ucm289290.htm

Federal Register Notice(官報通知)
http://www.ofr.gov/OFRUpload/OFRData/2012-04597_PI.pdf
http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2012-02-28/pdf/2012-4597.pdf

 上記官報通知、各紙記事やブログによれば、FDAでは診断治療についてのアルゴリズムを作成したうえで、生活者はそれをもとにセルフセレクションで非処方せん薬を自分で選ぶ、また特定の医薬品については、薬局の薬剤師が介入したり(健康状態や相互作用の確認など)、尿検査薬などの非侵襲性の検査機器なども活用できるような新たな医薬品のカテゴリーを広げるというものです。(おそらく米国で特許が切れたリピトールなどをどうスイッチし、販売していくかも想定していると思う)

 国民皆保険ではない米国において、軽い疾患について、医師にかからなくても必要な治療が行うことを可能とすることも目指していると思われますが、そこに地域薬局や薬剤師が介入したり、サポートが行われるということも想定されているのは画期的で、薬剤師の新しいパラダイムの検討といえます。

 証言を予定している米国薬剤師会(APhA)では、この公聴会に大きな期待をふくらませており、私も注目します。(実現はすぐには無理だろうけど、検討を開始することは画期的で、日本では考えられない)

参考:
FDA Considers Reclassifying Some Prescription Drugs as OTC
(Natural Standard blog 2012.02.29)
http://naturalstandard.com/news/news201202044.asp
FDA exploring how to expand eligible Rx-to-OTC switches by utilizing pharmacy
(Drug Store News 2012.02.28)
http://www.drugstorenews.com/article/fda-exploring-how-expand-eligible-rx-otc-switches-utilizing-pharmacy
Proposed FDA approval pathway could increase pharmacists’ role with OTCs
(APhA News Room 2012.02.28)
http://www.pharmacist.com/AM/Template.cfm?Section=Pharmacy_News&template=/CM/HTMLDisplay.cfm&ContentID=27997
FDA proposes ‘new paradigm’ for drug categories
(APhA CEO blog 2012.02.28)
http://blog.pharmacist.com/tmenighan/index.php/2012/02/28/fda-proposes-new-paradigm-for-drug-categories/

3月1日 11:45 更新


2012年03月01日 02:02 投稿

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