ロイコトリエン受容体拮抗薬に精神神経系症状の注意が追記

 厚労省は23日、ロイコトリエン受容体拮抗薬のモンテルカストナトリウム(シングレア・キプレス)、ザフィルルカスト(アコレート)、プランルカスト水和物(オノン他)について、「重要な基本的注意」の項に、精神神経系の副作用発現の可能性について添付文書への追記を指示しました。

使用上の注意改訂情報(平成22年3月23日指示分)(PMDAウェブサイト)

モンテルカストナトリウム では、[重要な基本的注意]の項に

「本剤との因果関係は明らかではないが、うつ病、自殺念慮、自殺及び攻撃的行動を含む精神症状が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。」

が追記される他、[その他の注意]の項を新たに設けられ、

「プラセボ対照臨床試験41試験を対象に統合解析を行った結果、本剤投与群9,929例中1例において自殺念慮が認められたのに対して、プラセボ群7,780例において自殺念慮は認められなかった。
また、プラセボ対照臨床試験46試験を対象に統合解析を行った結果、行動変化に関連する事象(不眠、易刺激性等)が、本剤投与群11,673例中319例(2.73%)、プラセボ群8,827例中200例(2.27%)において認められたが、統計学的な有意差は認められなかった。」

が追記されます。

ザフィルルカストでは、[重要な基本的注意]の項に、

「海外において本剤を投与した患者で、うつ病を含む精神症状が報告されている。また、他のロイコトリエン拮抗剤を投与した患者で、因果関係は明らかではないが自殺念慮、自殺及び攻撃的行動を含む精神症状が報告されているので、本剤の投与にあたっては患者の状態を十分に観察すること。」

が追記されます。

また、プランルカスト水和物では、[重要な基本的注意]の項に

「他のロイコトリエン拮抗剤を投与した患者で、因果関係は明らかではないがうつ病、自殺念慮、自殺及び攻撃的行動を含む精神症状が報告されているので、本剤の投与にあたっては患者の状態を十分に観察すること。」

が追記されます。

 ようやく日本でに海外に準じた添付文書の変更になるわけですが、こういった精神神経系の有害事象について、どのようにどの程度患者さんに伝えるかはやはり難しい問題です。

関連情報:TOPICS
 2009.06.13 ロイコトリエン受容体拮抗薬と精神神経系症状(米FDA)
 2009.07.09 モンテルカストと精神神経系有害事象(カナダ)


2010年03月24日 12:28 投稿

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