最近の国内外の副作用等の報告状況

 6月28日、薬事・食品衛生審議会の医薬品等安全対策部会が開催され、今年1月から3月までに厚労省に報告のあった医薬品の副作用報告についての集計結果が公表されています。

 このデータは、医薬品との因果関係が不明なものを含め製造販売業者等から報告されたものをもとに作成されていますが、同一症例に複数の被疑薬が存在し、該当する症例が複数の企業からそれぞれ報告された場合は重複してカウントされているために、ここに示した報告件数がそのまま症例数にはならないそうです。また厚労省では、個別に医薬品との関連性を評価したものではないとしています。

 平成19年度第1回薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 資料
  (2007年6月28日開催、厚労省7月18日掲載) 

 資料2-2によれば、この間に6件以上の報告のあった医療用医薬品成分は下記のとおりです。(薬効分類コード421-429、632以降は除く)

分類 医薬品名 副作用名(数字は件数)
113 カルバマゼピン 薬物過敏症9
113 バルプロ酸ナトリウム 横紋筋融解7
114 アセトアミノフェン 胆管消失症候群9
114 ロキソプロフェンナトリウム 肝障害7
116 塩酸アマンタジン 幻覚6
117 アリピプラゾール 悪性症候群6 自殺企図6
117 炭酸リチウム 治療薬中毒7
117 塩酸セルトラリン 痙攣7
123 臭化ジスチグミン コリン作動性症候群7
131 塩酸モキシフロキサシン(点眼) 角膜代謝不全6
212 塩酸アミオダロン 間質性肺疾患21
218 プラバスタチンナトリウム 横紋筋融解6
218 アトルバスタチンナトリウム 横紋筋融解11
218 ロスバスタチンナトリウム 血中クレアチニンホスホキナーゼ増加6
239 インフリマキシブ(遺伝子組換え) 間質性肺疾患6
241 ソマトロピン(遺伝子組換え) 側弯症8
243 チアマゾール 無顆粒球症8
249 ヒトインスリン(遺伝子組換え) 低血糖症6
249 インスリン アスパルト(遺伝子組換え) 低血糖症8
249 インスリン グラルギン(遺伝子組換え) 低血糖症7 血中ブドウ糖増加6
255 硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸 血圧低下6
333 ヘパリンナトリウム ヘパリン起因性血小板減少症19
339 塩酸チクロピジン 肝機能異常8 肝障害8
339 アスピリン 大腸潰瘍6
394 ベンズブロマロン 肝障害6
395 アルテプラーゼ(遺伝子組換え) 出血性脳梗塞34 脳出血9 脳梗塞9
396 塩酸ピオグリダゾン 心不全9
399 タクロリムス水和物 間質性肺炎7 肺炎6
399 メトトレキサート 間質性肺疾患22 汎血球減少症7 骨髄機能不全7
399 メシル酸ナファモスタット ショック9 アナフィラキシーショック7 高カリウム血症7
399 タクロリムス水和物 血栓性微小血管症15
399 ゾレドロン酸水和物 骨壊死9
399 エタネルセプト(遺伝子組換え) 間質性肺疾患13 肺炎10
613 セファゾリンナトリウム アナフィラキシーショック7
613 メロペネム三水和物 肝機能異常9
613 スルバクタムナトリウム・
セフォペラゾンナトリウム
アナフィラキシーショック6
624 ガチフロキサシン水和物 高血糖6
624 塩酸モキシフロキサシン アナフィラキシーショック6
624 リネゾリド 血小板数減少14
625 塩酸バラシクロビル 意識レベルの低下17 急性腎不全10 脳症9 構語障害7
625 リン酸オセルタミビル 異常行動44 幻覚9 意識レベルの低下8
625 サナミビル水和物 異常行動11
629 塩酸テルビナフィン 肝機能異常14 肝障害13

 資料2-2:国内副作用報告の状況(医療用医薬品)[PDF:1792KB]
 資料2-3:国内副作用報告の状況(一般用医薬品)[PDF:211KB]

 また、海外における添付文書の変更や当局の発表をまとめたものをあわせて発表しています。今後はこれらの知見を踏まえ、添付文書の改訂が行われるものと思います。やはり代表的な重篤な副作用は、患者さんに伝えることが必要だと改めて感じさせられます。

 資料3-5:外国における新たな措置の報告状況[PDF:501KB]


2007年07月18日 23:20 投稿

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