Category Archives: OTC・一般用医薬品

一般用医薬品や医薬品販売制度に関する情報を紹介します。

生活者からの副作用自発報告システムは日本でも必要(国内研究)

 TOPICS 2009.01.10 で、副作用情報収集のためには、患者さんによる直接報告も有用との記事を紹介しましたが、日本でも薬学研究者がOTCを対象に生活者からの副作用自発報報告システムができないかの模索を始めています。 続きを読む


医薬品のネット販売規制訴訟、年内に結審へ

 インフルエンザの影に隠れてすっかり報道されなくなった一般用医薬品の通信販売をめぐる問題ですが、今年5月にケンコーコムとウェルネットの2社が、医薬品のネット販売を行う権利の確認および省令の無効確認または取り消しを求めた行政訴訟(TOPICS 2009.5.25)の審理がすすみ、WEBニュースによれば、12月24日には結審することになったそうです。  続きを読む


OTC子ども用風邪薬、薬剤師の管理下での販売が必要(豪州)

 豪州の公的医薬品規制機関のTGAは22日、OTC子ども向け風邪薬・咳止め薬について、6歳未満は処方せん医薬品、12歳未満の用法がある製品については要薬剤師薬に分類を変更するなどの方針をまとめ、12月18日までのパブリックコメントを開始すると発表しました。 続きを読む


ワクチン接種後の発熱対策は逆効果(海外研究)

 一部のワクチンでは、接種後に発熱反応があることが知られていますが、この対応として米国などではアセトアミノフェンの予防投与が行われています。ところがこの予防投与が、ワクチンの免疫効果を減弱させるかもしれないとした研究結果が、Lancet 誌で発表されています 続きを読む


6歳未満に風邪薬・咳止め薬は与えられるべきではない(NZ)

 ニュージランド(NZ)の医薬品規制機関のMedsafe(New Zealand Medicines and Medical Devices Safety Authority)は7日、風邪薬や咳止め薬成分(経口剤)について、6歳未満にはエビデンスが十分ではないなどとして、ブロムヘキシンを除いて使用しないよう勧告しました。 続きを読む


平成21年度第2回社会薬学フォーラム

 唯一所属している学会の社会薬学会(http://www.syakaiyakugaku.org/)が主催して12日行われた,平成21年度第2回社会薬学フォーラムに参加してきました。 続きを読む


一般販売業から店舗販売業への業態変更は必要

 新薬事法が施行されて3ヶ月が経過し,新たに位置づけられた「登録販売者」のさまざまな現場で活躍を耳にしますが,読書の方から次のような指摘がありました。 続きを読む


ジヒドロコデイン配合OTC風邪薬,事実上使用禁止へ(英国)

英国医薬品庁(MHRA)は3日,コデイン,ジヒドロコデインが配合されているOTC製品について,濫用や依存性の危険性が高いとして,効能の一部削除などの安全対策を行うと発表しました。

New advice on OTC analgesics containing codeine
(MHRA 2009.9.3)
http://www.mhra.gov.uk/NewsCentre/Pressreleases/CON057115
(→アーカイブ)

Updated advice on non-prescription medicines containing codeine or dihydrocodeine (DHC) (MHRA 2009.9.2)
http://www.mhra.gov.uk/Safetyinformation/Safetywarningsalertsandrecalls/
Safetywarningsandmessagesformedicines/CON057118

(→アーカイブ)

【医薬品安全性情報 Vol.7 No.21 2009.10.15 】(上記和訳)
乱用と依存症のリスク防止のため codeine または dihydrocodeine を含有する OTC 鎮痛薬に対する規制強化を勧告
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly7/21091015.pdf

英国では,(アセトアミノフェンの)鎮痛作用を強化する目的でコデインやジヒドロコデインが配合されたOTC鎮痛薬については,濫用防止のため32錠を超えるものについては,“dispensing only”と表示するなどして自主的な販売規制を行ってきましたが,一部の店舗で100錠を超えて販売されるなど,十分な対策が取られていないとして,今回の安全対策の発表に至ったようです。

MHRAでは,今後次のような対策を行うとしています・

  • 今後,効能は「アセトアミノフェンやイブプロフェン,アスピリンのみで改善されない急性の中等度の痛み」のみとし,かぜやのどの痛み,咳,軽度の痛みなどの効能は削除する
  • 短期間(最大3日間)の使用に留めることを患者向け説明書やラベルに明記する
  • パッケージの正面にはっきりと ’Can Cause Addiction. For three days use only’ という表示を義務づける。広告を行う場合も同様。
  • 患者向け説明書には,依存の兆候を示す症状を追記する
  • 薬局医薬品は32錠までとする
  • メーカーに対しては2009年12月31日までに対応を求めると共に,店頭品についても3〜6ヶ月以内に対策をとること求める(対応が早いですね)

今回のMHRAの発表は,事実上コデイン・ジヒドロコデインの風邪症状でのOTC配合を禁止するものです。日本では,アセトアミノフェン+ジヒドロコデインというパターンのOTC鎮痛剤はありませんが,総合感冒薬の配合をみるとこの組合せはかなりありますね。以前にも述べましたが,日本では総合感冒薬での濫用や依存というのは果たして存在しないのでしょうか?

業界団体のPAGB(The Proprietary Association of Great Britain http://www.pagb.co.uk/)は3日,直ちに対応するなどとしたプレスリリースを発表すろともに,毎年英国内で販売されているOTC鎮痛剤約3億パックのうち,2700万パックがこれに該当するとしています。

Industry supports changes to information about over-the-counter products containing codeine(PAGB 2009.9.3)
http://www.pagb.co.uk/pressarea/releases/codeinestatement3.9.09.pdf

Over-the-counter pain relief medicines containing codeine
http://www.pagb.co.uk/pressarea/releases/Codeineproductlist.pdf

コデイン配合のOTC鎮痛薬は,豪州などでも問題になっており,コデイン・ジヒドロコデイン配合製品が,総合感冒剤や咳止めとしてOTCとして販売されている日本でも軽視できない問題です。

せめて,英国のように「依存する危険があります」くらいは箱にはっきりと書いた方がよいと思います。そして,これらを配合するOTCのネット販売の禁止はもちろんのこと,「かぜをひいたら,○○を」といったTVCM,大包装品の大量陳列などもちょっと考えたほうがよいかもしれません。

関連情報:TOPICS 2009.1.26 OTC鎮痛剤で依存が起こるか?(英国)


若い世代ほど、注意が必要なOTCをネットで購入(国内研究)

 慶応大社会薬学講座の研究グループはこのほど,ネットによる一般用医薬品の購入実態や医薬品に関する情報の入手の方法,健康に関する意識等についてWEBアンケート調査を行い,薬学雑誌(http://yakushi.pharm.or.jp/full_text.html)の9月号にその結果を報告しています。 続きを読む


規制改革会議、医薬品通信販売の規制等に対し再検討を要請

 28日,規制改革会議(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/)は,6月1日から6月30日まで実施した集中受付月間において寄せられた「全国規模の規制改革要望」についての関係省庁からの第1次の回答をに対し,再検討要請事項を公表しました。 続きを読む