第 12 章

W.S.Clarkの "Boys, be ambitious." その心は
(明治9〜10年、札幌農学校教頭)                             





 動物と違って、人間には将来の発展を求める心=未来心→夢があります。
 ウイリアム・スミス・クラーク(1826〜1886)の「少年よ、大志を抱け」は、私の少年時代には有名で、よく聴かされた言葉でした。近頃の世相は、平和の下、危機感がないので、暖衣→飽食→拝金→遊興的→軟弱になり、こんな目的意識を明確にした言葉は忘れ去られたようです。
 クラークが北海道開拓使節に招かれて、札幌農学校で教鞭をとったのは、たった9か月でしたが、彼のキリスト教的で実践的な農学の学風は長く続き、ここから新渡戸稲造、内村鑑三、宮部金吾、志賀重昂など、多くの人材を出しています。昨今、いじめ問題で大騒ぎですが、「不法に対する力による抵抗は正義」なのに、近頃の子供は少子→過保護から、反発力、覇気を失っているようです。
 前のページで述べた英首相ディズレリーは、ユダヤ人の子供で、学校でいつもいじめられた…。そこで彼はボクシング・ジムに通ってアッパーカット法を身につけて立ち向かった…。以後、彼に手出しをする者は全くいなくなったといいます。書経に「備えあれば憂いなし」…と。
 さて、大志完遂にはどうしたらよいか、誰にも分かるように、連鎖式の8項目に分けますと上の図のようになります。この実践こそが、あなたの人生を決める「生きる力」です。

 ここまで読んで下さった方に感謝します。



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