2009/10/29,30 経済環境常任委員会行政視察 (仙北市、盛岡市) |
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第1日目 秋田県仙北市 視察事項:観光振興計画について 仙北市(せんぼくし)は平成17年に仙北郡の角館町、田沢湖町、西木 村が合併して誕生した。人口は約3万人である。 観光振興計画は、総合計画に掲げている交流人口1千万人の数値目標を 達成するために策定された。計画期間は平成19年度から平成27年度ま での9年間である。 |
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武家屋敷周辺の道は もともと広い |
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コメント) 計画は今回訪問した旧角館町の武家屋敷周辺エリアと、田沢湖周辺エ リア、さらに旧西木村の農山村エリアの3つに分かれている。合併前の 町村別になる。 29日は平日にも関わらず、武家屋敷周辺には多くの観光客が訪れて おり、うらやましくも感じた。しかし、話を伺うと本市同様に日帰り客 が多く、経済効果的には伸び悩んでいるとのことだった。そこで、新た な観光資源の掘り起こしを行っており、現在17の提案がなされている とのことだった。具体的には、柿や公園、祭りといった昔からあるもの が提案されている。観光資源の掘り起こしは、本市にも必要なことであ る。また、外国語を話す観光客も多く見られたので、その点について質 問した。これは、秋田県が台湾・韓国・香港等にPRを行っていること や、台湾の高雄市にある澄清湖(ちょうせいこ)と、田沢湖が姉妹湖で あることなどで観光客が多いらしい。海外へのPRは、本市も今後真剣 に考える必要があろう。 日帰り・通過型の観光であっても、それなりの経済効果を上げるには リピーターを増やすことが大切かもしれない。しだれ桜の季節、武家屋 敷周辺は、それこそ多くの観光客で賑わうとのことだった。今は客の少 ない冬に訪れてもらうことを思案している。本市は首都圏に近いことか ら、官民あげて四季折々の魅力をPRするとともに、他市にはない本市 独自の魅力を掘り起こすことが大切であると感じた。 |
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第2日目 岩手県盛岡市 視察事項:盛岡ブランド開発事業について 盛岡市独自のブランドを構築することにより、地域間競争に勝ち抜き、 地域の活性化を図ることを目的としている。事業期間は平成17年度から 平成26年度で、平成18年度の総事業費は2千5百万円である。 |
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研修後に鉈屋町を視察 |
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コメント) 事業立ち上げのときに、市民は宮沢賢治や石川啄木など、過去の財産 を生かしたい思いだったが、広告代理店は過去にしがみついていてはダ メである、と対立した経緯を伺った。市として市民の意見を尊重したの は正解だったであろう。 盛岡というと、宮沢賢治、石川啄木以外にも、原敬や新渡戸稲造など 多くの著名人を排出している。また、食ではわんこそばだけでなく、盛 岡冷麺やじゃじゃ麺などもある。さらに工芸品で南部鉄器、観光スポッ トとして石割桜や盛岡城公園と、うらやましい限りである。しかし、当 事者からすると、いろいろあり過ぎて“これ!”といったものがないの が悩みであるとのことだった。しかし、本事業により盛岡りんごがブラ ンドとして認知され始めているとのことだった。話を伺うと青森や長野 にはない、旬のりんごといった他との差別化ができたこと、言い換えれ ば、眠っている資源の掘り起こしができたことが成功へつながっている。 さらに、俳句甲子園のパクリではじめた短歌甲子園も参加校が増え、県 外には認められるようになってきたとのことだった。 本市も足利美人と銘打って、農産物のブランド化を行っている。ひと つ抜け出すには、盛岡りんごのように他にはないものを見出せるかが問 題である。また、前市長が足利三名所と三名物をうたって、本市を売り 出しことについては、それなりに成功したと思う。そして、そこから一 歩抜け出すことが、盛岡市がいう地域間競争に勝ち、地域活性化につな がることなのであろう。 まちなみ景観プロジェクトとしては、盛岡町家・鉈屋町界隈の保存活 用事業の話を伺った。ここでは、既に決まっていた都市計画道路を変更 して、まちなみを保存する道を選んだ。既に決定した都市計画道路の中 止は普通はない話である。これは景観条例などがない時代から、景観ガ イドラインを設けて、条例によらずに市内からの岩手山の眺めを守って きた市民だからこそできたのではないかと思った。 |