☆ コラム |
2007/1/17「自ら考える」 今日で阪神・淡路大震災から12年になる。現在、神戸市民の約3割は震 災後の転入者や震災後に生まれた子供たちとなったそうだ。しかし、復興住 宅における孤独死は昨年も66人と、いまだにその傷は癒えていない。 ある著名な占い師による地震予知の話は、1年前のこのコラムにも書いて ある。この年末年始のTV特番でも、懲りずにこの占い師が大地震の予知を するというので観てみた。「近い将来、川がある側で大地震が起きる」とい う内容だった。昨年に引き続き、あまりにも当たり前の、今回は昨年よりも 必ず当たる内容であった(“いつ”を除いて考えた場合)。 日本は至る所に大小の川がある。その日本で内陸直下の地震が起きた場合、 必ず近くに川はある。したがって、この発言は予知でも占いでもない。当た り前のことを言ったまでである。 なぜそのような発言をする占い師をTV各局をはじめマスコミが、こうも 取り上げるのか?日本という国が危ない方向へ行っている証にも思える。 民主主義は本来面倒なものである。市民ひとりひとりが政治に目を光らせ、 自分の頭で考えなければならない。考えることを放棄し、無関心になれば政 治は腐敗し、国は危険な方向へと向かってしまう。数字が取れるとなるTV 各局は同じ人間を取り上げる。誰かがいいといえば、その人の言葉を無批判 に受け入れる。非常に危険な兆候だ。 人気の高かった小泉内閣が残したものは何か。格差社会の拡大ではないか。 本当にいい国になったのだろうか?本質を見抜くには、まず自ら考えること である。それを放棄したら民主主義は滅びる。 |