☆ コラム |
2009/12/14「見せかけのエコ」 先週12日、東京で開かれた日本最大級の環境展示会「エコプロダクツ 2009」に行ってきた。今や企業も環境を配慮しなければ、企業として 認められなくなってきていると感じたところである。 自然環境の保護、自然との共生、限りある資源を大切に、といったこと については、もちろん賛同する。しかし、今日本で流行しているエコ活動 は、決してこれらのことを考えてるとはいえないと感じている。例えば最 近コマーシャルでもよく目にするようになったLED(発光ダイオード) がある。これまでの白色灯や蛍光灯に比べ、消費電力が少なく長持ちする というものである。もちろん価格も高いが、消費電力が抑えられ長持ちす る点は評価できる。さて、ここで気になるのが、今や冬になると全国各地 で行われているイルミネーションだ。「LEDに代え、環境にも配慮」な どと、TVニュースに流れることもあるが、たとえ消費電力が5分の1、 10分の1に抑えられたとしても、その数(量)が5倍、10倍になった ら、意味がないのである。1990年に全国でどれだけのイルミネーショ ンがまちを明るくしていたのだろうか。今はどうであろうか。正確な数字 はわからないが、個人家屋でもイルミネーションをしている今は、10倍 どころか100倍以上になっているのではないか。いったいこれのどこが エコなのであろうか?こうしたことに疑問を投げかける声を聞くことはな い。もちろんマスコミも取り上げない。自分に都合のいいところだけ取り 上げて「環境に配慮」などといわれても、地球は人間の都合を聞いてはく れない。 経済活動は人の生活を豊かにしたわけで、それ自体を否定するつもりは ない。ただ、本当に地球環境のこと、人類の存続を考えるのなら、何度も 主張しているが、ものごとの「本質」を見抜かなければならない。見せか けのエコは人間のエゴでしかない。 |