☆ コラム |
2011/6/11「3.11から三ヶ月」 今日で東日本大震災発生から3ヶ月となる。避難生活者はいまだに9万 人を超えている。復旧・復興にはまだまだ長い月日がかかってしまうであ ろう。 ちょうど1ヶ月前の5月11日、私は宮城県七ヶ浜町でヘドロやがれき の撤去をしていた。午後2時46分のサイレンで1分間の黙祷を行ったが、 自然と涙が湧いてきた。あまりにも悲惨な出来事に対する悲しみもあった であろうが、それよりは何もできなかった悔しさのほうが強かった。 この3ヶ月間で政治に失望した国民も多いであろう。確かに管政権に不 手際はあるだろうが、同じ民主党内でも復興より権力争いが優先されてい る。また、原発事故の元凶をつくった自民党もその責任をとることよりも、 政局優先である。この国難の時であっても政治家は自らの権力欲をむき出 しにしている。 5月下旬には千葉の幕張で地球惑星科学連合大会が開かれ、東北太平洋 沖地震(東日本大震災)に関わる数々の研究報告があった。私もここでい ろいろな話を聞いてきた。地震学の研究傾向として、歴史地震の研究が疎 んじられていたことが、千年に一度といわれる今回の地震の警告につなが らなかったという反省もあった。また、地震予知に関しては、北海道大学 日置教授の研究結果が興味深い。衛星のデータを使った解析で、地震発生 の約40分前に震源上空の「電離層」の電子量に異常がみられたという。 この研究結果が直前地震予知の実現につながるとまではいいきれないが、 近年の地震予知不可能論に一石を投じる可能性はある。 現時点では確定的でない地震予知情報を、社会が受け入れられる状況に はない。また、想定外といわれる今回の地震では、防災の限界も明らかに なった。千年に一度の自然災害に備えるには、それ相応の予算が伴う。そ れよりも今の生活のために予算を使うべきといった考え方もある。少子高 齢化に人口減少、そして自然災害の多い我が国が、これからどのような国 づくり・まちづくりをしていくべきなのか、今やるべきことはここにある と感じている。 |