妊娠6ヶ月目以降はNSAIDsは使用しないでください(仏)

日本では、NSAIDsの妊娠後期(妊娠8ヶ月)の使用は禁忌ですが、フランスANSMは妊婦に深刻なリスクを及ぼし、胎児の死亡につながる可能性があるとしては製品情報とリーフレットに妊娠6ヶ月目から禁忌とするよう記載を指示。

【仏ANSM 2025.04.25】
Anti-inflammatoires non stéroïdiens (AINS) chez les femmes enceintes : améliorer l’information sur les risques pour un meilleur usage
https://ansm.sante.fr/actualites/anti-inflammatoires-non-steroidiens-ains-chez-les-femmes-enceintes-ameliorer-linformation-sur-les-risques-pour-un-meilleur-usage

国家健康データシステム(SNDS)の償還データによると、NSさらされる可能性のある女性の数は依然として非常に多く、2018年から2023年の間に、NSAIDsが禁忌であるにもかかわらず、妊娠5か月以降の2万6千人を含む70万人以上の妊婦が影響を受けていました。

このような胎児への重大なリスクに関する情報を改善するため、私たちは、生殖・妊娠・授乳に関する常設科学委員会が設置したワーキンググループのメンバーとの共同作業を再開しました。私たちは、全身投与されるNSAIDsのSPCと添付文書の書式をより明確で簡潔なものにする必要性、特に胎児死亡のリスクによる妊娠6ヶ月目からの禁忌に関する項を明確にする必要性を指摘しました。

妊婦向け情報

胎児に対する重大なリスクがあるため、妊娠6ヶ月以上の場合は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を絶対に使用してはいけません。
妊娠6ヶ月以前は、医師から処方された場合に限り、NSAIDを使用することができます。この場合、より綿密な医学的監視が必要になることがあります。

胎児に対するリスクは何ですか?
妊娠6ヶ月目以降にNSAIDsを使用した場合、胎児は以下のリスクにさらされる可能性があります:

流産 :

先天性欠損症 : NSAIDs は胎児の心臓や腹壁の奇形を引き起こす可能性があります。

胎児の腎臓障害 : NSAIDs は胎児がいる羊水の減少を引き起こす可能性があります。特に長期使用の場合や妊娠末期には、出生時に腎不全が観察されることもあります。

動脈管の早期閉鎖 :動脈管は胎児の血液循環に不可欠な血管です。 NSAIDs は肺の早期閉鎖を引き起こし、肺高血圧症や胎児死亡につながる可能性があります。

出産時の合併症 : 妊娠後期に NSAIDs を使用すると、分娩時間が長引く可能性があり、母子両方で出血性合併症のリスクが高まります。

疑問がある場合、または痛みを和らげる必要がある場合は、医師に連絡して、胎児にとって安全な代替策についてアドバイスを受けてください。

一方、妊婦は薬局で提供される妊婦向けの面談を利用して、NSAIDsを使用する際の注意事項や、たまにしか服用しないとしても妊娠6ヶ月目からは禁忌であることを再認識してもらうことができるとのこと

AINS et grossesse : RCP et notice vont être modifiés pour clarifier les risques
(lemoniteurdespharmacies 2025.04.25)
https://www.lemoniteurdespharmacies.fr/therapeutique/medicaments/mieux-delivrer/ains-et-grossesse-rcp-et-notice-vont-etre-modifies-pour-clarifier-les-risques

関連情報:TOPICS
  2025.04.26 地域薬局での妊婦向けの面談サービス(仏)

NSAIDs 添付⽂書改訂に関する周知
(⽇本産科婦⼈科学会、⽇本産婦⼈科医会 2024.10.25)
https://www.pmda.go.jp/files/000271620.pdf


2025年04月26日 13:14 投稿

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