岐阜薬大の報告
無菌調剤が可能な薬局がどう分布されているかを厚生局のデータから解析
(Xに2024.10.17したものを再構成しました)
【Integr Pharm Res Pract. 2024 Oct 4】
Geographical Disparities in the Distribution of Community Pharmacies Providing Aseptic Preparation Services in Japan
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11460271/
日本国内の保険薬局数は61,122店舗であるが、そのうち無菌製剤が可能な薬局は4,891店舗に過ぎず、全体のやく8%に留まった。
無菌調剤が可能な薬局のうち15.2%が過疎地域に立地しており、総人口の17.5%が過疎地域に居住していることを考えると、無菌提供が可能な薬局の過疎地域と非過疎地域間の分布は、ほぼ人口比と一致している。
地方では無菌調剤を提供する薬局が不足しているため、地域医療に歪みが生じる可能性がある。
無菌調剤は一部の国では専門施設で行われているが、日本では無菌調製設備を備えた地域の薬局で行われている。
地域薬局がこのサービスを提供できない場合、患者は在宅医療ではなく入院医療を選択せざるを得なくなる可能性があり、患者のQOLに悪影響を与え、限られた医療資源を非効率的に使用する結果となりかねない。
日本では、地域によって無菌調剤の利用可能性に大きな格差があり、特に過疎地域では、無菌調剤を提供する薬局から距離があるため、サービスが行き届いていない。
無菌調剤を提供する薬局の現在の分布は、特に地方のすべての住民のニーズを満たすには不十分であると思われる。
地域包括ケアシステムの観点からは、無菌調剤を提供する薬局がすべての地域に均等に分布していることが極めて重要である。
すべての地域でこれらのサービスへの公平なアクセスを確保するためには、的を絞った戦略的計画と政策介入が必要である。
このような格差に積極的に対処することで、将来の医療格差を防ぎ、無菌調剤サービスの需要拡大に備えることができる。
2025年04月27日 22:50 投稿