論文・報告あれこれ 2014年10月

 他サイトではあまり紹介されていないものを中心に、10月にツイートしたちょっと気になった論文や報告などをピックアップしました。気になったものは独立記事にするかもしれません。誤りがあったらご指摘下さい。必ずしも最近アップされたものとは限りません。(特にJ-STAGE に掲載のものは、発行後一定期間過ぎてから解禁となるものがあり、1年以上前に掲載された論文等を紹介する場合があります)

 ★更新することが多いので、2013年1月分よりスタイルとURLのタイプを変えました。サイドバーに各月記事へのリンク、右下に最終更新日を記してあります。 

 右下に最終更新日を記してあります。 

紹介日 論文・報告タイトル
(紹介記事・ブログ、関連論文)
概要・コメント
11.04 Sorafenib and osteonecrosis of the jaw
(Canadian Adverse Reaction Newsletter 24(4) 2014.10)
カナダ保健省には報告されていないが、VigiBaseには、ソラフェニブ(ネクサバール)との関連が疑われる顎骨壊死の8つ事例が報告されており、副作用があれば報告して欲しいと注意を呼びかけ。
11.04 Intravenous methylprednisolone and liver injury
(Canadian Adverse Reaction Newsletter 24(4) 2014.10)
メチルプレドニゾロン静注でのパルス療法で急性肝炎や薬物誘発性肝障害の報告があり、注意が必要。(カナダ保健省にも4例が報告)
11.04 Milk intake and risk of mortality and fractures in women and men: cohort studies
BMJ Published Online 28 Oct 2014)

1日3杯以上の牛乳を摂取する女性は1杯日未満の人と比べて死亡リスクが93%増加するなどとした、牛乳摂取に関するスウェーデンのコホート研究。その原因は乳糖とガラクトースにあるのではないかと推測したが、乳糖(ラクトース)耐性を持つ別の民族グループには当てはまらない可能性も指摘され、因果関係についてはさらなる研究が必要だとした。海外で大きな話題になっているものの、日本ではAFPが配信しているだけで、他のメディアはほとんど伝えていないのはなぜ?
11.04 Mixing Medications and Dietary Supplements Can Endanger Your Health
(FDA Consumer Updates Publisehd 27 Oct 2014)
子どもは大人と物質の代謝速度が異なり、くすりに加えサプリメントを併用すると、思わぬ健康被害になる可能性があるとした、米FDAの消費者向け注意喚起(厚労省などによるこういうアナウンスは日本ではほとんどないよね)
11.04 Energy drink consumption in Europe: a review of the risks, adverse health effects, and policy options to respond
(Frontiers in Public Health Published Onlline 14 Oct 2014)

いわゆるエナジードリンクに関する総説。世界の売り上げは120億ドル、成人の30%思春期の子どもの68%が使用しているという。改めて、アルコールとの併用についての健康リスクについて指摘している。
11.04 Reports of Pathological Gambling, Hypersexuality, and Compulsive Shopping Associated With Dopamine Receptor Agonist Drugs
JAMA Intern Med Published Online 20 Oct 2014)

本サイトでもたびたび紹介してきた、ドパミン作用薬と衝動制御障害(ICDs:impulse control disorders)の関連性についての論文。FDA有害事象報告システムのデータを解析。NHS Choice の解説記事がわかりやすい。研究者らは改めて、黒枠警告などの注意喚起が必要だとした。
11.04 Light-to-Moderate Alcohol Drinking Reduces the Impact of Obesity on the Risk of Diabetes Mellitus.
J Stud Alcohol Drugs.2014 Nov;75(6):1032-8.)

飲酒と糖尿病や肥満都の「関連を調べた兵庫医大の研究。飲酒量が中等度までであれば、リスクが軽減するとした。
11.04 The future of pharmacy in the UK-
Community pharmacy dispensing is being challenged on three fronts
(PMLives 2014.10.23)
専門紙記事だが興味深い内容。
11.04  Short-term effects of highly-bioavailable curcumin for treating knee osteoarthritis: a randomized, double-blind, placebo-controlled prospective study
J Orthop Sci Published Online 13 Oct 2014)

クルクミンが変形性膝関節症の症状を和らげる可能性があるとした国立病院機構京都医療センターの研究。
11.04 Changes in suicide rates in disaster-stricken areas following the Great East Japan Earthquake and their effect on economic factors: an ecological study.
Environ Health Prev Med. published Online 22 Oct 2014)
東日本大震災後の被災地(福島・宮城・岩手)の自殺率は近隣県と比べ、男性では24か月減少したが、逆に女性では7か月増加した。
11.04  Effect of Anti-inflammatory Treatment on Depression, Depressive Symptoms, and Adverse EffectsA Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Clinical Trials
JAMA Psychiatry Published Online 15 Oct 2014)

システィマティック・レビュー&メタアナリシス NSAIDs、特にセレコキシブは副作用のリスク増なしで抑うつ症状を減少させることが示唆された。
11.04 Hormone therapy and risk of cardiovascular outcomes and mortality in women treated with statins.
Menopause Published Online 20 Oct 2014)

スタチンを使用する女性がホルモン治療を受けると、全死亡率のリスクが低下した。
11.04 Low-dose paroxetine (7.5 mg) improves sleep in women with vasomotor symptoms associated with menopause.
Menopause Publisehd Online 8 Aug 2014)

 

最終更新日:2014年11月4日

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