論文・報告あれこれ 2014年11月

 他サイトではあまり紹介されていないものを中心に、ちょっと気になった論文や報告などをピックアップしました。気になったものは独立記事にするかもしれません。誤りがあったらご指摘下さい。必ずしも最近アップされたものとは限りません。(特にJ-STAGE に掲載のものは、発行後一定期間過ぎてから解禁となるものがあり、1年以上前に掲載された論文等を紹介する場合があります)

 ★更新することが多いので、2013年1月分よりスタイルとURLのタイプを変えました。サイドバーに各月記事へのリンク、右下に最終更新日を記してあります。

 右下に最終更新日を記してあります。

紹介日 論文・報告タイトル
(紹介記事・ブログ、関連論文)
概要・コメント
11.04 知っておきたい薬物の乱用・依存に関する基礎知識
(広島県医師会 2013.9)

すでに1年前に公表されていた薬物乱用に関する非常に有用な資料。一般向けに作られたとしていますが、乱用の害について、発症メカニズムも含めてわかりやすく解説しており、薬物乱用教育でも活用できます。冊子では、向精神薬の過量服薬(OD)や危険ドラッグ(違法ドラッグ)についても触れています。
11.04 Sexual Function in Men with Lower Urinary Tract Symptoms and Prostatic Enlargement Secondary to Benign Prostatic Hyperplasia: Results of a 6-Month, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study of Tadalafil Coadministered with Finasteride.
J Sex Med. Published Online 29 Ocr 2014)
13か国70施設で行われたRCT。前立腺肥大患者へのフィナステリド(5mg)とタダラフィル(5mg)の同時投与は、EDに対する治療の有無に関わらず、勃起や性的機能の統計学的に有意な改善も認められた。
11.04 A Web-Based Survey of Erection Hardness Score and Its Relationship to Aging, Sexual Behavior, Confidence, and Risk Factors in Japan
Sex Med.Published Online 3 Oct 2013)
20~89歳の7710人が調査に参加した、2009年3月~5月に行われたWEB調査の結果。解析の結果、高齢、多量の喫煙、メタボリックシンドロームの既往歴、高血圧、糖尿病などが、日本人においてはEDのリスク要因になるとした。
11.04 Cardiac conduction disturbance after loperamide abuse.
Clin Toxicol. 2014 Nov;52(9):952-7.)
ロペラミドには、離脱症状の改善やレクリエーション目的での乱用があり、不整脈発現に留意必要関連文献:
Drug Alcohol Depend. 2013 Jun 1;130(1-3):241-4.
11.04 New Roles for Pharmacists in Community Mental Health Care: A Narrative Review
Int J Environ Res Public Health. Published Online 21 Oct 2014)
タイトルの通り、各国でのさまざまな取り組みをレビューし、メンタルヘルスにおける薬剤師のさまざまな役割など(チーム医療、スクリーニング、適正使用、薬剤師教育他)についてまとめたもの。
11.04 Medication Misadventures in Older Adults Literature From 2013
(J Am Geriatr Soc. Pubalished Online 22 Oct 2014)
米国老年医学会が2013年い発表された高齢者の薬物治療に関する論文をレビューし、トピックスとして次の3点を注目点として掲げた。

  • 薬剤師が次善の処方を減らすために介入
  • 降圧剤としてのチアジドの選択
  • 抗コリン薬による負担の軽減
11.04 スギ花粉症治療における患者中心の薬剤選択の試み
(耳鼻と臨床 59(6)260-274 2013)
スギ花粉症の診断から薬剤選択までの作業に患者が参加できるような問診表を作成し、使用薬剤を患者に選択させた場合には患者満足度が高く、ひいてはアドヒアランス向上につながるとした、関西医大香里病院の報告。患者が選ぶんだったら、これらの薬は処方薬である必要がない気もするのですが。
11.04 6年制薬学教育課程の卒業生を送って
—患者・社会が求める臨床教育の実践とは—
(薬剤学 74(3)172-175,2014)
昭和薬科大医療薬学研究センターの教員がまとめたもの。卒業生の感想と教育側の今後の課題を提言。
11.04 日本における医薬分業の過去,現在,未来
(薬剤学 74(2) 102-105,2014)
医薬分業に関するこれまでの経緯をわかりやすくまとめたもの。若い薬剤師には、これまで苦難の歴史について一読をおすすめします。次の投稿と合わせて読むと理解が深まる。
11.04  「医薬分業」早期実現をめざす
(薬剤学 74(2) 106-108,2014)
こちらは、医薬完全分業の実現に向けて、取り組むべき課題についてまとめています。
11.04 Recurrent Common Bile Duct Stones Composed of Ursodeoxycholic Acid: A Report of Four Cases 
Intern Med 53(21) 2489-2492,2014)
虎の門病院の症例報告。ウルソデオキシコール酸はコレステロール胆石を治療するためにしばしば使用されるが、胆管炎を引き起こす可能性もあり、投与にあたっては留意が必要だとした。

最終更新日:2014年11月22日

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