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2007.03.10 チアゾリジン系薬剤と骨折リスク
米国TAKEDAとFDAは9日、ピオグリダゾン(アクトス)を服用している女性に骨折のリスクが高まる可能性があるとする安全性情報(Letter)を発表しています。
Actos (pioglitazone) Tablets
ACTOplus met (pioglitazone and metformin hydrochloride) Tablets
Duetact (pioglitazone and glimepiride) Tablets
http://www.fda.gov/medwatch/safety/2007/safety07.htm#Actos
http://www.fda.gov/medwatch/safety/2007/Actosmar0807.pdf
日本語訳は、海外規制機関 医薬品安全性情報 Vol.5 No.6(国立医薬品食品衛生研究所)に掲載
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly5/06070322.pdf
安全性情報によれば、臨床データ(投与期間は最大3.5年)を解析したところ、骨折の発現率がピオグリダゾンを服用しなかった群で100人あたり1.1人だったのに対し、ピオグリダゾン服用群では100人あたり1.9人に達することがわかったそうです。
骨折部位は前腕部、手部、手首、足部、足関節、ひ骨、けい骨などの上下肢で多く見られたそうです。
なお、男性については骨折リスクの上昇は見られなかったそうです。
一方、先月20日には、同効剤の rosiglitazone(商品名:Avandia、日本未発売)についても同様の安全性情報が発表されていて、米国内で大きな話題になっていました。
こちらの方は、rosiglitazone 群、metformin 群、glyburide 群の3群に分けて比較したもので、ピオグリダゾン同様に、rosiglitazoneを服用した女性で骨折リスクの上昇がみられた一方、男性ではリスクの上昇が見られなかったそうです。
現時点では骨折増加のメカニズムはわからないようですが、女性のみに注意すべき、チアゾリジン系薬剤に共通の問題である可能性があります。
FDAでは医療専門職に対し、2型糖尿病の女性に対し、ピオグリダゾンによる治療を行う場合には、骨折のリスクを考慮するよう呼びかけています。
関連情報:海外規制機関 医薬品安全性情報 Vol.5 No.5(国立医薬品食品衛生研究所)
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly5/05070308.pdf
海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.5 No.11
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly5/11070531.pdf
3月10日 17:20掲載 3月23日、6月4日リンク追加