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2007.03.10 FDA、エリスロポエチン製剤の使用上の注意を強化
米FDAは9日、エリスロポエチン製剤(ESA)の darbepoetin(商品名 Aranesp)、epoetin alfa(商品名Epogen)、epoetin alfa(商品名 Procrit)について、安全性情報をより強めると発表しています。
FDA Strengthens Safety Information for Erythropoiesis-Stimulating Agents (ESAs)
(FDA NEWS 2007.3.9)
http://www.fda.gov/bbs/topics/NEWS/2007/NEW01582.html
FDA Public Health Advisory Erythropoiesis-Stimulating Agents (ESAs)
(FDA 2007.3.9)
http://www.fda.gov/cder/drug/advisory/RHE2007.htm
現在米国では、腎疾患による貧血、HIV治療中患者の貧血の他、がん化学療法に伴う貧血にのみ適応がありますが、実際には適応外である化学療法おこなっていないがん患者の貧血や、息切れ、めまい、だるさなどの自覚症状の改善目的でも投与されていることが少なくないようです。後者については、がん患者の生活の質を改善するというインターネットやメディアを通じての情報が影響していたのではないかとの指摘もあります。
FDAでは再三にわたり、医療専門職に対し、死亡率の上昇、腫瘍進行のリスク,血栓塞栓症のリスク、ヘモグロビン値の厳密なモニタリングの必要性などについての注意喚起を行ってきましたが、今回黒枠警告にすることで、安易な使用が行われないよう再度注意を呼びかけています。
今後FDAでは、5月に行われるがん治療薬諮問委員会(Oncologic Drugs Advisory Committee:ODAC)で、改めてこれらの薬剤の安全性について再検討を行うとしています。
関連情報:海外規制機関 医薬品安全性情報 Vol.5 No.5(国立医薬品食品衛生研究所)
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly5/05070308.pdf
癌性貧血(赤血球減少症)とエリスロポエチン製剤(海外癌医療情報リファレンス)
http://www.cancerit.jp/archive133aranesp,procrit.html
3月10日 17:20掲載