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2007.04.18 コンドロイチンの有効性
スイス、ベルン大学の研究グループが、このほどコンドロイチンの有効性を取り上げた論文の分析結果をまとめ、17日付のAnn Intern Med誌に発表しています。
Meta-analysis:Chondroitin for Osteoarthritis of the Knee or Hip
(Annals Intern Med. 2007;146(8):580-590)
http://www.annals.org/cgi/content/abstract/146/8/580
http://www.annals.org/cgi/content/full/146/8/580
この研究は、20のランダム化試験 3,846人のデータを分析したメタ・アナリシスで、コンドロイチン摂取の有無と、股・膝の変形性関節症における痛みの軽減・予防との関係を調べています。
その結果、研究者らはコンドロイチンにはプラセボと比較して、変形性関節症による痛みを軽減するというエビデンスはなかったと結論づけています。
Ann Intern Med誌では、論説でこの論文を取り上げ、この研究結果を支持していますが、有害事象の報告がなく、安全性に問題ないことや、プラセボ効果も期待できるとして、患者自身が「体によい」として摂取を希望するのであれば、摂り続けることに問題はないだろうとしています。
Chondroitin for Pain in Osteoarthritis
(Ann Intern Med. 2007;146(8):611 - 612)
http://www.annals.org/cgi/content/full/146/8/611
今回の研究結果について、業界団体の The National Products Associationは、「コンドロイチンは、グルコサミンとの組み合わせで使われるとき、安全かつ効果的であり、関節炎による痛みを和らげる方法として、危険な副作用がないオプションの1つになっている」との声明[PDF]を発表、また各紙も「とりあえずコンドロイチンを4〜5週間試してもよいのではないか」とする声を取り上げています。
関連論文:
Glucosamine, Chondroitin Sulfate, and the Two in Combination for Painful
Knee Osteoarthritis
(N Engl J Med. 2006;354:795-808.)
http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/354/8/795
(コンドロイチンとグルコサミンの組み合わせ摂取が膝変形性関節症による痛みを改善させるという論文です)
参考:Chondroitin No Magic Bullet for Achy Joints, Study Says
(ABC NEWS 2007.4.17)
http://abcnews.go.com/Health/ActiveAging/story?id=3046818
Chondroitin for arthritis just doesn't work
(News-Medical. Net2007.4.17)
http://www.news-medical.net/?id=23644
4月18日15:40 掲載