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2007.04.30 薬科大学に付属薬局の設置義務付けが必要(参院決算委員会)
23日、文科省及び厚労省の決算についての審査を行う参議院の決算委員会が行われ、藤井基之議員が薬剤師需給問題などについて質疑を行っています。
参議院会議録情報 第166回国会 決算委員会 第5号
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0116/166/16604230015005a.html
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この中で藤井議員は、6年制学生の実務実習のための施設を確保することが近々の課題になっていることを指摘し、医学部では学生の教育のために附属病院の設置が義務付けられているとして、薬科大学の6年制の学部についても、附属施設として薬局の設置を義務付けることが必要ではないかと、文科省に質しています。
これに対し、伊吹文科相は「中国、四国、北陸においてはマッチングが必ずしも十分ではなく、義務付けるというのも一つの考え方である。しかし、義務付ければ、それだけの施設のお金が余分に要るわけで、それだけの経営負担を義務付けるということは私はなかなかやっぱり難しいのではないか。」と答弁し、実務実習先の確保については、各大学の努力に委ねる(即ち、経営努力で必要な場合のみ設置すればよい)という消極的な見解を示しています。
6年制の実務実習の枠組みは、そもそも従来の定員内の枠で検討されてきたものとされています。しかし、実際の人数は検討された当時の2倍に達している状況です。藤井議員の指摘は当然であり、大学経営を優先してもよいともとれる文科相の答弁には疑問を感じざるを得ません。
現在、日薬では実務実習のことが全てに優先せざるを得なく、ともすると日薬が取り組まなければいけない課題に手が回らない感があります。いっそのこと、「新規薬科大学分の実習先の確保はできない。新設大学は、付属薬局の設置や医学部と連携で対応して欲しい」などの毅然とした態度で臨んでもよいのではないかと思います。
数年後、実習先の確保が学部薬学生にとって大きな問題としてのしかかるような気がしてなりません。
関連情報:薬剤師需給で検討会設置‐厚労省が将来予測見直しへ
(薬事日報 HEADLINE NEWS 4月24日)
http://www.yakuji.co.jp/entry2921.html
4月30日 23:20掲載