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2007.07.22 大衆薬メーカー、広告の自主規制緩和でトクホに対抗

私も知らなかったのですが、最近大衆薬の広告に臨床試験のデータを用いるケースが増えているそうです。

リアップで臨床試験データを用いた広告展開を実施
  (大正製薬プレスリリース6月7日)
  http://www.taisho.co.jp/company/release/2007/2007060701.html  

睡眠改善薬「ドリエル」で 臨床試験結果を用いた広告を展開
  (エスエス製薬ニュース7月18日)
  http://www.ssp.co.jp/news/2007/070718.html

今回このような動きになったのは、日本大衆薬工業協会が行ってきた「一般用医薬品等の広告自主申し合わせ」を今年4月1日付けで改定、新聞雑誌広告や各企業のウェブサイトであれば医薬品の有効性に関しデータを利用して広告してもよいと決めたためですが、その背景には「血圧が心配な方に」などとアピールするトクホの攻勢に、今や市場までも逆転されているという、大衆薬メーカーの危機感があるようです。

一般用医薬品等の広告自主申し合わせ(日本大衆薬工業協会)
  http://www.jsmi.jp/advertisement/s_jisyu.html

このうち、「個々の製品」または「その配合する効能効果に関わる成分」の有効性については、効能効果の範囲内で行うこととし、使用するデータは、「承認申請時添付データ」、「市販後調査結果」、「再審査・再評価申請に用いたデータ」、「医学薬学専門誌に投稿掲載された客観性・信頼性を担保しうる臨床データ」のいずれかに限定、また、服用感・使用感等での特長および持続性・崩壊性等製剤上での特長については、「承認申請時添付データ」、「医学薬学専門誌に投稿掲載された客観性・信頼性を担保しうるデータ」の他、「自社で行った独自の調査データ(但し、データの調査方法・サンプル数等をその広告中に記載する)」も利用することが可能としています。

これまで大衆薬工業協会では、「誤解を与えない」「過大な期待を抱かせない」ための自主規制を続けてきましたが、一方でトクホメーカーは、既に自社製品の臨床データを前面に、「過大な期待を抱かせる」広告攻勢をかけているという現実があります。

血中の中性脂肪の上昇を約20%抑える 黒烏龍茶の力 黒烏龍茶
  (サントリーウェブサイト)
 http://www.suntory.co.jp/softdrink/kuro-oolong/chikara/after_eating.html

そもそもトクホには、医薬品並みの厳格な臨床試験が課せられているわけではありませんが、大衆薬メーカーにとっては、「自分たちはモラルを守ってやってきたのに、トクホというだけで、薬事法ギリギリの表現も許されるのはおかしい。」という思いがあるのではないかと考えます。

トクホは予防、大衆薬はどちらかといえば治療であり、同じ土俵にはならないのかもしれませんが、「メタボリックが心配ではありませんか?」と煽り、「トクホで簡単に予防できます」とも言わんばかりのTVコマーシャルがたれ流されている現状についてこそをもっと目を向けるべきではないでしょうか?

参考:日経ビジネスオンライン6月25日(記事は一部です)
     http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070621/128015/
    産経新聞7月19日(記事はヤフーに掲載)
     http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070719-00000912-san-bus_all
    朝日新聞7月21日
     http://www.asahi.com/business/topics/TKY200707210007.html

7月22日 0:50掲載 23日12:10更新

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