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2007.08.02 開局薬剤師との連携を模索する病診薬剤師
日病薬はこのほど、平成20年度診療報酬改定に関する要望書をまとめ、厚労省に提出しています。日病薬ウェブサイト(http://www.jshp.or.jp/)に要望書の内容が掲載されています。
平成20年度診療報酬改定に関する要望書について
(社団法人日本病院薬剤師会 2007年8月1日掲載)
http://www.jshp.or.jp/cont/070801.pdf
日病薬では、「病診薬剤師の役割は、入院から退院さらに外来をも含む一体的な医薬品管理と、処方設計への参画、調剤、投薬及び持参薬の管理や服薬指導など、患者ケアにおいて医療の安全を確保するための専門性を持った薬学的管理を行うことと位置づけられており、薬剤師の職能を駆使してこれらの業務に積極的に取り組んでいる。しかし、診療報酬上の評価は、このような現状を反映しているとは言い難い。」として、5つの重点要望事項と9つの一般要望事項を掲げて、検討と配慮を求めています。
病診薬剤師ならではの要望事項がほとんどですが、いくつか地域薬局との関連ある要望事項も出されていますので、それを紹介したいと思います。
1.後発医薬品使用促進加算(新設)
後発医薬品の使用を促進するため、後発医薬品に係る情報収集、使用手続き、患者への説明等を評価する
(後発品の採用を検討している病院において薬剤師が能動的に必要な情報や文献を収集し加工・評価して、関係者に提供)
2.保険医療機関から保険薬局又は他院への薬剤情報提供料(新設)
患者の退院時又は転院時に、入院している医療機関から、かかりつけとなる保険薬局又は他の医療機関に対して、入院中の薬剤管理指導に基づきお薬手帳に入院中の薬物療法、服薬状況、調剤時の留意事項等の情報を記載して交付した場合に算定
(患者に同意を得た上で投薬、副作用及び相互作用、検査値等の情報が提供されれば保険薬局が実施している薬歴管理と服薬指導に厚みをつけることが可能となり、退院後の薬物療法の維持や改善につながり、患者にとってのメリットが大きい)
3.病薬連携薬剤管理共同指導料(新設)
保険薬局の薬剤師と開放型病院に勤務する薬剤師が共同で薬剤管理指導を行った場合に算定
(院外処方せんの交付を受けている患者が開放型病院に入院した場合に、患者の同意を得て患者の選択する保険薬局の薬剤師と開放病院の薬剤師とが共同で薬剤管理指導を行うことは、患者への入院・退院後の服薬管理に一貫性を持たせることがきるだめ、患者にとってのメリットが大きい)
果たして、フィーがつくかどうかはわかりませんが、2.3.のいわゆる患者情報の共有は、現在議論されている後期高齢者医療制度における薬剤師の役割と一致する部分もあり、評価の対象となる可能性もあります。
関連情報:TOPICS 2007.07.10 後期高齢者医療における薬剤師の役割
第10回社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する特別部会
資料(2007年7月30日開催、8月1日 WAM NET 掲載)
8月2日 1:00掲載