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2007.08.30 プソイドエフェドリンの販売規制が決まる(英国)

29日、MHRA(英国医薬品医療用製品規制庁)はプソイドエフェドリン及びエフェドリンの販売規制についてのPublic consultationの結果を発表し、今後2年間、これらのOTCの販売状況を見守り、POM薬(処方せん医薬品)への再分類は当面行わないと発表しました。

Nasal decongestants get new sales restrictions(MHRA press release 2007.8.29)

Public consultationには、意見を求めた関係団体の他、多くの個人からも意見が寄せられています。

Public consultation (MLX 337): Proposals to restrict the availability of medicines containing pseudoephedrine and ephedrine by a change to legal status from pharmacy (P) to prescription only (POM) together with a restriction in pack size(2007.8.27 UPDATE)

MHRAでは当初、メタンフェタミン密造の懸念から、これらの成分を含むものについて、現在のP薬(薬局用医薬品)から、POM薬への変更案も示していましたが、英国王立薬剤師会や全国薬局協会などからの自主的な販売規制案が示されたことや、現場への適正販売が徹底されていたことから今回の決定になったようです。

今後は下記の販売方法を遵守することを求めるとともに、今後2年間販売状況を監視し、販売状況が適正でなかった場合には改めて、分類の再検討を行うとしています。

  • 1包装あたりに含まれるプソイドエフェドリンは720mgに制限する
  • 1回の販売は、1包装に制限する
  • 販売は薬剤師を通じて行う(セルフ販売は不可)

さらにMHRAでは、「販売状況が追跡やモニターができるように、メーカー、卸、販売店で取り決めを行う」「販売相手が把握できるよう薬局での記録を行うこと」などが実施されるよう、実施計画をまとめるよう求めています。

英国王立薬剤師会などは今回の決定を歓迎する一方、将来再分類の可能性もあるとして、よりいっそうの適正販売に努めたいとしています。

DECISION ON COLD AND FLU PRODUCTS MAKES GOOD CONSUMER SENSE
  (英国王立薬剤師会など共同声明 2007.8.27)
    http://www.rpsgb.org/pdfs/pr070829.pdf

日本におけるプソイドエフェドリンを含む鼻炎薬の販売方法が果たして、本当に国際基準に沿ったものなのかを考えさせられるとともに、英国のpublic consultationによる政策の決定方法は、実に現場の声を尊重していることが感じられました。

関連情報:TOPICS 2007.03.08 英国、プソイドエフェドリンの販売規制を検討
          2007.06.06 市販鼻炎薬の販売は1回につき3日分までに制限(韓国)

8月30日 0:50掲載

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