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2007.09.05 後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子(案)が示される
4日、第11回社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する特別部会が開かれ、投薬などの重複診療を防止し、在宅医療に軸足を置いた、後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子(案)が支援されました示されました。
第11回社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する特別部会(2007年9月4日開催)
資料(WAM NET 9月5日掲載)
骨子案によれば、後期高齢者にふさわしい医療は、若年者、高齢者を通じた医療全般のあるべき姿を見据えつつ、「治療の長期化、複数疾患への罹患(特に慢性疾患)が見られる」「多くこの高齢者に、症状の軽重は別として、認知症の問題が見られる」「新制度の被保険者である後期高齢者は、この制度の中で、いずれ避けることができない死を迎えることとなる」などの後期高齢者の特性や基本的な視点を十分踏まえて、構築する必要があるとして、「外来診療」「入院医療」「在宅医療」「終末期」における医療のあるべき姿を示しています。
骨子(案)は、第9回の特別部会で論点で示されたものを整理したもので、薬剤師関連では次のような点が示されてます。
薬歴管理(外来診療)
外来医療を受ける後期高齢者は、服薬している薬の種類数が多いこと、入退院も少なくなく服薬に関わる医療関係者も多くなると考えられることから、薬の相互作用や重複投薬を防ぐ必要がある。このため、医療関係者(医師、歯科医師、薬剤師及び看護師)や患者自身が、服用している医薬品の情報を確認できるような方策を進めるための診療報酬上の評価の在り方について検討するべきである。
関係者、患者・家族との情報共有と連携(外来診療)
後期高齢者の生活を支えるためには、受診歴、病歴、投薬歴などの情報の医療従事者間の情報の共有を進めるほか、介護・福祉サービスとの連携を進めるため、主治医等とケアマネジャーを中心として、相互の情報共有を進める必要がある。
在宅療養における服薬支援(在宅医療)
後期高齢者の在宅療養において、薬の「飲み忘れ」等による状態悪化を招くことのないよう、本人や家族、介護を担う者による日々の服薬管理等の支援を推進することが重要であり、このための診療報酬上の評価の在り方について検討するべきである。
疼痛緩和ケア(週末における医療)
在宅ターミナルケアで使用する医療用麻薬の服薬指導に当たっては、患者宅での適切な保管管理、廃棄等の方法について、調剤した薬剤師が患者及びその家族への指導を行うとともに、定期的にその状況を確認していくことが必要であり、このような取組が進むような診療報酬上の評価の在り方について検討するべきである。
共同通信は今回の骨子(案)について、「外来患者の生活能力などを主治医として総合的に診る開業医、重複投薬を避ける薬剤師」「お薬手帳のようなものを念頭に、医師や看護師らが患者の全ての処方薬を確認する」「在宅患者の痛みを和らげる投薬について、患者や家族に定期的に指導する薬剤師」などの記事を掲載し、後期高齢者における薬剤師への期待を滲ませています。
今後、正式な最終骨子がまとめられたのち、議論の場は中医協に移りますが、お薬手帳のよりいっそうの活用と疼痛緩和ケアへの参画(在宅における医療用麻薬の管理)が求められることは間違いないでしょう。
関連情報:TOPICS 2007.07.10 後期高齢者医療における薬剤師の役割
参考:日本経済新聞9月5日
共同通信9月5日
http://www.47news.jp/CN/200709/CN2007090401000410.html
CB NEWS 9月5日
http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=11737