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2007.09.30 OTC風邪薬の乳幼児への使用、大幅に規制か(米国)
8月16日のTOPICで、乳幼児へのOTC風邪薬・咳止め薬についての有効性や安全性の再検討が、10月18日、19日に開催される米FDAの諮問委員会で検討が行われると紹介しましたが、この諮問委員会の開催に先立って、FDAの安全部門の担当者によるレビューなどが掲載された報告書とOTCの業界団体であるCHPA(Consumer Healthcare Products Association)の意見書が27日FDAのウェブサイトに掲載されました。
FDAの報告書はOTCに含まれる成分についての有害事象のデータを分析したものを含む、356ページにも及ぶ膨大なもので、サマリーによれば1969年から2006年に少なくとも、プソイドエフェドリン・フェニレフリン・エフェドリンなどの充血緩和成分(deconggestant)による関連死が54例、またジフェンヒドラミン、ブロムフェニラミン、クロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン成分による関連死が69例あったとし、死亡例の多くは2歳以下で、過量服用によるケースが少なくなかったとしています。
FDA Briefing Document[PDF:12.93MB]
http://www.fda.gov/ohrms/dockets/ac/07/briefing/2007-4323b1-02-FDA.pdf
ニューヨークタイムズ紙は、これらのレビューを受け、全ての乳幼児向けの風邪薬・咳止め薬を市場から撤去し、過量服用防止のため、容器等の標準化を行うよう勧告したと伝えています。
一方、CHPAの意見書も 156ページにも及ぶ膨大なもので、OTCの安全性・有効性は確保されていると主張したうえで、今後下記のような対策を行いたいとしています。
- CHPAは、「2歳以下の小児に風邪薬や咳止め薬を使用してはいけない」とするラベルの変更を求める
- CHPAは、抗ヒスタミン成分が含まれる商品について、「子どもを鎮静するために使用をしてはいけない」とする文言を加えることを加えることを求める
- CHPAは、保護者及び医療専門職に対しラベルの変更が行われることについての認知を高めるための全国的なキャンペーンの実施と、これら年代の子どもたちが安全にこれらの商品が使われるよう対策を強化する
- CHPAは、追加的なデータが求められている、2歳から12歳までの薬物動態についての研究をすすめる
Consumer Healthcare Products Association (CHPA)[PDF:2.78MB]
http://www.fda.gov/ohrms/dockets/ac/07/briefing/2007-4323b1-01-CHPA.pdf
最終的な結論は、諮問委員会での議論後に委ねられますが、乳幼児へのOTC風邪薬・咳止め薬の使用は大幅に規制される方向になることは間違いないようです。結果次第では、日本にも少なからず影響を及ぼしそうです。
関連情報:TOPICS 2007.08.16 乳幼児へのOTC風邪薬の有効性・安全性再検討へ(米FDA)
参考:Ban Sought on Cold Medicine for Very Young(New York Times 2007.9.28)
http://www.nytimes.com/2007/09/29/health/29fda.html?hp
FDA Advisers Urge Ban on Cold Medicines for Young Children
(HealthDay News 2007.9.28)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=608744
9月31日22:30掲載