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2007.10.18 厚労省、後発医薬品の具体的な使用促進案を提示
17日、中医協の診療報酬基本問題小委員会が開催され、厚労省から具体的な後発医薬品の使用促進案が示されました。各紙の記事などを整理すると、今後下記のような点が論点として検討されるようです。
第102回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会
資料(2007年10月17日開催 WAM NET 10月19日掲載)
- 保険医療機関・医師に対する平成19年度調査の結果を踏まえて、処方せん様式について検討する
(欧米の処方せん書式を参考資料として添付し、後発品不可の場合のみコメントなどを記す仕組みが一般的であることを紹介し、後発品変更可の欄の見直しを示唆したようです) - 60日や90日などの長期処方で、初めて後発医薬品に変更して使う場合、患者の同意を得れば、分割調剤という形で、まず1週間程度で後発医薬品が試して使えるような仕組みを導入する。(産経新聞では「お試し調剤」という表現を使っています)
- この「お試し」期間ののち、引き続き残りを分割調剤して行う場合、調剤基本料の算定を認める。
- 後発医薬品の銘柄指定がされた処方せんについて、「医学的な理由から別銘柄への変更不可」などと明記しない限りは、薬剤師が説明責任を果たし、患者の同意があった場合に限り、別銘柄の後発医薬品への変更を認める。(在庫のある特定の薬局に患者を事実上誘導することになったりすることを考慮。変更した旨を医師にフィードバックすることが必要)
- 患者の服用のしやすさを改善する観点から、患者が同意した場合には、剤形は異なっても同一の先発医薬品と同等であることが確認されている範囲内で後発医薬品に変更して調剤することを認める(口腔内崩壊錠から普通錠へなど)
- 保険診療・調剤を行う際の責務を定めた療養担当者規則に後発品の使用促進について記載を盛り込む
各紙によれば、今回の厚労省の使用促進案について、診療側の委員からは「医師が処方する薬を決める権利を侵害しかねない」「薬害が起きた際の責任の所在が不明になる」「医師の裁量権縮小をセットにした政府の医療費抑制策」など反対の声が挙がっている他、「お試し調剤」については、患者に安心感を与えることは良いことであるが、それを評価してしまうとチェーン薬局等で不必要に分割調剤するところが出てきてしまうことが危惧されるとして、再度の検討を求めました。
今後は、中医協の診療報酬改定結果検証部会が近くまとめる後発医薬品の使用状況に関する調査結果を踏まえて、11月中旬ごろに改めて議論されることになります。
関連情報:TOPICS 2007.10.16 後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム
参考:中医協基本小委(10月17日)
「後発医薬品使用促進のための環境整備」「患者の視点の重視」について議論
(日医白くま通信No.752 2007.10.18)
http://www.med.or.jp/shirokuma/no752.html
厚労省、ジェネリック医薬品使用促進策‐処方せん様式再変更を提案
(薬事日報 HEADLINE NEWS 10月18日)
http://www.yakuji.co.jp/entry4676.html
CB NEWS10月18日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/12533.html
産経新聞10月17日
http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/071017/wlf0710172342003-n1.htm
朝日新聞10月17日
http://www.asahi.com/life/update/1017/TKY200710170168.html
毎日新聞10月17日
http://mainichi.jp/select/science/news/20071018k0000m010102000c.html
10月18日 10:10掲載 18:20更新 19日14:50更新