最近の話題2007.12
HOME>最近の話題>2007年12月
2007.12.22 フェンタニル貼付剤の不適正使用に注意喚起(米FDA)
米FDAは21日、フェンタニル貼付剤(デュロテップパッチ、米国名:Duragesic)について、2005年7月の公衆衛生に関する助言(FDA Public Health Advisory)以降も、不適切な処方や患者の誤用によって、死亡例や重い副作用が相次いでいるとして、メーカーに対し、製品情報(product information)の更新と、患者向け医薬品ガイド(medication guide for patients)を作成するよう求めました。
FDA Issues Second Safety Warning on Fentanyl Skin Patch
http://www.fda.gov/bbs/topics/NEWS/2007/NEW01762.html
Fentanyl Transdermal System (marketed as Duragesic and generics)
(FDA Medwatch safety information alert 2007.12.21)
http://www.fda.gov/medwatch/safety/2007/safety07.htm#Fentanyl
FDA Public Health Advisory
Important Information for the Safe Use of Fentanyl Transdermal System (Patch)
http://www.fda.gov/cder/drug/advisory/fentanyl_2007.htm
Information for Healthcare Professionals
Fentanyl Transdermal System (marketed as Duragesic and generics)
(2007.12.21 Update)
http://www.fda.gov/cder/drug/InfoSheets/HCP/fentanyl_2007HCP.htm
日本語訳概要が、海外公的機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.6 No.2に掲載されています。
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly6/02080124.pdf
皆さんもご存知のように、本剤はモルヒネ製剤から切り替えて使用するのが原則ですが、FDAによれば、手術後の一時的な痛みや頭痛、歯痛など本来禁忌である患者に処方され、ときに呼吸抑制を起こし死に至る事例があったとしています。
また、患者の本剤の取り扱い方法についても言及、決められた量以上に本剤を使用、頻繁に張り替える、電気毛布や温水ウォーターベッド、サウナなどの熱源にさらされた状態で使用することにより、本剤からのフェンタニル放出量が増加、呼吸抑制を起こすとしています。(日本の添付文書でも、40℃以上の発熱が認められる患者へは慎重投与、貼付中に入浴する場合は、長時間の熱い温度での入浴は避ける、高温にならない所に保管との記載あり)
FDAの発表を見ると、どうも日本と比べ米国ではこういった薬剤の管理や処方制限は緩いようにも思われます。米国の薬剤師たちはきちんと情報提供を行っているのでしょうか?
わが国でも在宅治療における疼痛緩和において、今後こういった薬剤の薬剤師による管理・指導が求めれます。その際には、患者さんの生活習慣の把握も必要であることを痛感させられます。
参考:共同通信12月22日
http://www.47news.jp/CN/200712/CN2007122201000158.html
デュロテップパッチ添付文書