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2008.01.22 後発医薬品に関するレポート(日医総研)
もう既にご存知の方がいると思いますが、日本医師会総合政策研究機構(日医総研 http://www.jmari.med.or.jp/)では、昨年末に後発医薬品に関する2つのレポートを発表しています。
1.後発医薬品の使用状況に関する調査−使用促進できるほど後発医薬品は信頼できるか?−
(日医総研ワーキングペーパーNo.152)
http://www.jmari.med.or.jp/research/summ_wr.php?no=363
このレポートは、去年11月9日の日医の緊急記者会見で公表された後発医薬品の使用に関するアンケート調査結果の詳細版で、後発医薬品に関する基礎知識についても触れられています。
関連情報:緊急記者会見 「後発医薬品の使用に関するアンケート調査の結果を公表」
(日本医師会白クマ通信No.781 11月9日)
http://www.med.or.jp/shirokuma/no781.html
配布資料:http://www.med.or.jp/teireikaiken/20071109_1.pdf
2.後発医薬品はわれわれを幸せにするか −後発医薬品の経済的側面からの考察−
(日医総研ワーキングペーパーNo.154)
http://www.jmari.med.or.jp/research/summ_wr.php?no=365
このレポートでは、政府の薬価コントロール政策について諸外国の比較しながら、今般の後発医薬品使用促進策が長いスパンで見たとき、果たして有用なのかどうかが論じられています。
レポートでは、後発医薬品の価格水準が諸外国並みに対し、先発医薬品の価格水準が諸外国より低く抑えられているために、先発医薬品と後発医薬品との価格差は諸外国より少ない。そのため、日本では新薬へのアクセスを高めているとしてます。
一方で後発医薬品の使用を促進すると、その引き換えに製薬メーカーから新薬の価格引上げや特許期間の薬価据え置きなどをを求める圧力が強まることが予想され、結果的に医療費の節約が達成されない恐れがあるとしています。
なおこのレポートでは、最後の方に米FDAが作成した一般消費者向け啓蒙のリーフレットを掲載しています。そこでFDAのウェブサイトにアクセスしたところ、実にさまざまなリーフレット(しかも複数言語で)や啓蒙用のスライドまでが掲載されています。
Consumer Education: Generic Drugs(FDA)
http://www.fda.gov/cder/consumerinfo/generic_text.htm
http://www.fda.gov/cder/consumerinfo/generic_all_resources.htm
レポートでは、「(この)背景には、(米国でも)後発医薬品に関する不信感が存在すると考えるのが自然だろう。」としていますが、日本ではまだまだ政府による一般消費者向けの啓蒙が十分ではないかと感じました。
関連情報:TOPICS 2007.06.14 製薬協が考える薬価制度改革案
1月22日 1:00掲載