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2008.04.08 眼に影響を及ぼす薬剤
医薬品などを監視する消費者団体の米国パブリックシチズン(Public Citizen)は1日、白内障や緑内障など眼疾患を引き起こす可能性がある62の薬剤をリストアップし“Worstpill”のページで公表しています。
Awareness of Drug-Induced Eye Toxicity Crucial for Patients, Physicians,
Says Public Citizen on WorstPills.org(Public Citizen Press release 2008.4.1)
http://www.citizen.org/pressroom/release.cfm?ID=2636
Drug-Induced Eye Toxicity: 62 Drugs That Can Cause Eye Disease
http://www.worstpills.org/public/page.cfm?op_id=84
このリストは、今年2月にDrug Safety 誌に掲載されたレビュー[Pubmed PMID:18217789]を要約したもので、眼疾患ごとに、関連付けられる薬剤名がリスト化されていて、服薬指導の際、役に立ちそうです。
眼に影響を及ぼす薬剤リストはWEB上で検索したところ、整理されたものがいくつも掲載されていて、わが国では副作用の欄に小さく書かれていることであっても、副作用の一つとして患者さんに症状の有無を確認する必要があることを再認識させられます。
OCULAR EFFECTS Associated with Medications
(Transitions.com 2006)
Prevention and management of drug-induced ocular disorders
(Prescriber 2006; 19:39-42)
Ocular toxicity of systemic anticancer chemotherapy.
(Pharmacy Practice 2006; 4(2): 55-59.)
http://www.pharmacypractice.org/vol04/pdf/055-059-en.pdf
Ocular adverse effects associated with systemic medications
: recognition and management.(Drugs. 2007;67(1):75-93.)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17209665
また、海外公的機関のレポートでも、しばしば報じられていました。
Bisphosphonates and ocular disorders
(Canadian Adverse Reaction Newsletter Volume 13 Issue 4 October 2003)
http://www.hc-sc.gc.ca/dhp-mps/medeff/bulletin/carn-bcei_v13n4_e.html
日本語訳は、医薬品安全性情報Vol.1 No.32に掲載
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly/32031114.pdf
Topiramate and other drugs causing glaucoma
(Australian Adverse Drug Reactions Bulletin Volume 27 Number 2 April 2008)
http://www.tga.health.gov.au/adr/aadrb/aadr0804.htm
これらを、整理すると下記のようになります。詳細は、上記文献等をご確認下さい。
まぶたや結膜の多形成紅斑 (Erythema multiforme) |
アセトアミノフェン、アロプリノール、アミオダロン、アンピシリン、カプトリル、セファゾリン、クリンダマイシン、ドキシサイクリン、イソニアジド、ペニシリン、フェノバルビタール、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、バンコマイシン (Stevens-Johnson Syndromeに移行することがある) |
赤目(red eye) | 塩化ベンザルコニウム(保存剤)、チメロサ−ルを含むもの、モルヒネ |
虹彩緊張低下症候群 | α遮断薬(ドキサゾシン、プラゾシン、タムスロシン、テラゾシン) |
開放隅角緑内障 | ステロイド、ドセタキセル、パクリタキセル |
閉塞隅角緑内障 | H2ブロッカー(シメチジン、ラニチジン)、SSRI(フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、venlafaxine、fluoxetine)、抗コリン薬(イプラトロピウム、チオトロピウム)、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、トピラマート、エフェドリン、エピネフリン、 |
白内障 | ステロイド、クロルプロマジン、ブスルファン、チオリダジン、フェニトイン |
網膜の異常 | クロルプロマジン、タモキシフェン、チオリダジン、エトレチネート、isotretinoin、トレチノイン、レチノール、 |
視神経の異常 | アミオダロン、エタンブトール、リネゾリド、ED治療薬(シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル) |
ドライアイ | 抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ロラタジン、セチジリン)、ビスフォスフォネート、isotretinoin |
涙液減少 | βブロッカー(プロプラノロール、アテノロール、メトプロロール、カルベジロール)、アムロジピン |
結膜炎 | ACE阻害剤(カプトプリル、エナラプリル) |
4月8日 1:00掲載