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2008.04.21 ループ利尿薬と骨折リスク
米国の研究グループはこのほど、ループ利尿薬の使用が骨密度を減少させる可能性があるという研究結果をまとめ、Arch Intern Med 誌に発表しています。
Loop Diuretic Use and Increased Rates of Hip Bone Loss in Older Men
The Osteoporotic Fractures in Men Study
(Arch Intern Med. 2008;168(7):735-740.)
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/168/7/735
この研究は、65歳以上の男性3269人(うち84人がループ利尿薬を定期的に使用、181人が不定期的に使用。使用薬は231人がフロセミド)を平均4.6年間追跡調査したもので、総股関節(total hip)及び大腿骨の頚部・転子部の骨密度を比較したところ、ループ利尿薬を服用しなかった群では、総股関節部の骨密度の減少が0.33%だったのに対し、不定期使用群で0.58%、定期的使用群では0.78%の減少が見られたそうです。(大腿骨の頚部・転子部も同様の傾向)
ループ利尿剤は、カルシウムを排泄する薬理作用があることから、研究者の間では骨粗鬆症のリスクとの関連についての研究が以前から行われています。過去にも、ループ利尿剤の使用者の間で骨折が多いとする結果が得られた研究がありましたが、このときはループ利尿剤によって生じるふらつきや転倒が関係しているのではないかとの指摘がありました。
今回、何らかのメカニズムで骨減少が起こっている可能性が示唆されたことで、研究者らは高齢者にループ利尿剤を処方する際は骨粗鬆症リスクの可能性があることを留意するよう呼びかけるとともに、さらなる関連性を調べるためには、今後ランダム化比較試験の実施も必要としています。
参考:Loop Diuretics Linked to Hip Bone Loss in Older Men
(Medpage TODAY 2008.4.15)
http://www.medpagetoday.com/Endocrinology/Osteoporosis/tb/9121
Heart Failure Drugs Linked to Hip Bone Loss in Older Men
(HealthDay 2008.4.15)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=614510
Link Between Bone Loss And Diuretics In Older Men
(Medical News TODAY 2008.4.15)
http://www.medicalnewstoday.com/articles/104300.php
4月21日 10:30掲載