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2007.01.06 ダイエット・ピル販売業者に2500万ドルの罰金を科す(米国)
米国連邦取引委員会(FTC:Federal Trade Commission)は4日、広告に虚偽や誤解を招く表現があったとして、複数の販売業者に合わせて2500万ドルの罰金支払いと、広告を改めるよう命じた。
Federal Trade Commission Reaches “New Year’s” Resolutions with Four
Major Weight-Control Pill Marketers
(Federal Trade Commission. News release 2007.1.4)
http://www.ftc.gov/opa/2007/01/weightloss.htm
(広告コピーも掲載されています)
今回対象になったのは、"Xenadrine EFX""CortiSlim""One-A-Day WeightSmart""TrimSpa"の4製品を販売する会社で、罰金の一部は、今後消費者への返金に当てられる。
最も罰金額が大きかったのは、"CortiSlim""CortiStress"を販売する7つの販売会社に対してで、「CortiSlimで、誰でも、すぐに、確実に、リバウンドなしにやせられる」「CortiStressは、骨粗鬆症、肥満、糖尿病、アルツハイマー、がん、心臓病のリスクを減らす」といった虚偽または確証のない表現を行い、トークショーなどを通じて広告されたことに対し、1200万ドルの罰金が科せられた。
また、"Xenadrine EFX"を販売する2つの会社に対しては、広告で「エフェドリンよりも効果がある」とする科学的に根拠のない表現を行い、過酷な減量プログラムでやせた人を体験例(使用前・使用後写真を添える)として取り上げたとして、少なくとも800万ドルの罰金が科せられた。
一方"TrimSpa"を販売する会社に対しては、「すぐに、確実にやせられる。主成分が食欲を抑えることでかなりの減量が可能」という不適切表現と、有名人を使った体験談を使ったことに対して、150万ドルの罰金が科せられ、さらに、One-A-Day WeightSmartを販売するバイエル社に対しては、「代謝を増やす」「30歳以上に見られる代謝低下が原因と体重増加を予防する」などの表現が、科学的根拠に基づいていないとして320万ドルの罰金が科せられた。
米国では、ダイエット関連商品(weight loss aids)に年間10億ドルを消費し、また、アメリカ人の3人中2人が、ダイエット関連商品は政府が安全性についてのテストを行っていると信じているという。
専門家は、「ダイエット関連商品も処方薬と同様の科学的根拠を課すべき」「詐欺まがいの広告が行われているこれらの商品は、巨大なチェーンストアで売られ、多くの利益をあげているが、果たして彼らはこれらがどのように作用するのか検証しているだろうか?」など、今までこの問題を何年も放置してきたことを批判、またFTCも「個人による推薦は、科学に代わるものではない。アメリカ人はそれを理解する必要がある」と指摘している。
FTCの基準に照らせば、日本のテレビ、新聞、雑誌などで行われている、この手の広告は多くがクロになってしまうと思います。日本の公正取引委員会も、それなりの調査を行っているとは思いますが、米国のような多額の罰金はあまり聞いたことがありません。
参考:Diet pill makers fined millions for false claims
(MSNBC 2006.1.4 AP通信配信)
http://www.msnbc.msn.com/id/16467558/
FTC Fines Weight Loss Pill Firms $25M
(Washington Post 2006.1.4 AP通信配信)
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/01/04/AR2007010401048.html
Finally, these diet pill pushers get pushed back(MSNBC 2006.1.5)
http://www.msnbc.msn.com/id/16491115