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2007.01.25 SSRIと骨折リスク
カナダの研究チームは、このほどSSRIが骨粗鬆症関連の骨折である脆弱性骨折のリスクを高めるとする研究結果をまとめ、Archives of Internal Medicine誌に論文が掲載されています。
Effect of Selective Serotonin Reuptake Inhibitors on the Risk of Fracture
(Arch Intern Med. 2007;167:188-194)
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/167/2/188
この研究は、カナダにおける骨粗鬆症研究のデータの5,008人の中から、パロキセチンなどのSSRIを毎日服用している50歳以上の137人(平均年齢65.1歳)を5年間追跡調査したもので、SSRIを服用している人では脆弱性骨折のリスクが2.1倍(HR 2.1 ; 95% CI 1.3-3.4)に、また用量を2倍にするとリスクはさらに1.5倍になることがわかったそうです。
さらに転倒のリスクについても2.2倍(OR 2.2 ; 95% CI 1.4-3.5)に、骨密度の減少(使用していない人に比べて腰椎で4%、脊柱で2.4%減)についても関連づけられるとしています。
一方、三環系抗うつ薬を毎日服用している162人では、骨折リスクは1.2倍に留まったことから、研究者は高齢者にSSRIを処方する際は、骨密度を測定するなど、脆弱性骨折のリスクを考慮に入れるべきとしています。
参考:Antidepressants Increase Fracture Risk for Older Patients
(MedPageToday 2007.1.22)
http://www.medpagetoday.com/Psychiatry/Depression/tb/4904
Antidepressants Double Risk Of Bone Fracture
(Medical News TODAY 2007.1.23)
http://www.medicalnewstoday.com/healthnews.php?newsid=61402
Foodconsumer.org 2007.1.23