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2007.01.25 大学生から見た健康食品のインターネット広告(東京都)
東京都では昨年秋より、都内の大学生と連携して、「健康食品」の宣伝・広告や「インターネット・オークション」の広告表示における不当表示などのインターネット上の広告表示について、調査を行ってきましたが、このほどその調査結果がまとまり、24日公表されています。
大学生によるインターネット広告表示調査結果について
(東京都報道発表1月24日)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2007/01/60h1o100.htm
健康食品については、大妻女子大学家政学部の学生13人に市場規模の大きい「ローヤルゼリー」「クロレラ」「プロポリス」「ブルーベリー」などをキーワードにインターネットで検索し、宣伝・広告の商品等を抽出してもらい、それらの信頼性や安全性についての意見がまとめられています。
- インターネット上に「健康食品」の宣伝はあふれており、良い物と悪い物とを見分けることが難しい。
- 「健康食品」は「どうしても」という時に使うだけにして、長期的に摂取するのであれば、普段の食事や生活を改めたほうが安全性から見ても一番安心だと思った。
- 信頼できるものと信頼できないものの両方が存在し、全体的に科学的な根拠に基づいたものが少ないと思う。(詳細は報告書をご覧下さい)
一方、インターネットオークションの広告調査は、拓殖大学商学部の学生及び首都大学東京都市教養学部の学生40人が、広告表示についてのレクチャーを行ったうえで、インターネットオークションのウェブサイトを調査したもので、学生一人一人がそれぞれのテーマで不当表示と考えれる事例を収集調査し、違反内容等の分析、特徴などについてのそれぞれの意見をまとめています。
学生らの多くは、インターネットオークションに多くに不当表示があることに驚く一方で、私たちも考えさせられる下記のような意見を寄せています。
- 特定保健食品などの一般的な広告でも消費者が誤解を招く表現が多い
- ダイエット食品では効果の根拠が示されていないにもかかわらず、具体的な効果を標榜する商品が多くある
- メディアで取り上げられていることが商品の安全性を証明しているような錯覚を与える表示は、「他のメディアで紹介されたから安心」という、根拠のない信頼性を消費者に与えることを目的としているように思える
- 利益を追求する事業者に自浄が期待できなくとも、公的機関が病院や薬局などの場を通じて消費者により直接的に働きかけることは可能ではないか
- 学校や家庭など教育の場で、未来の消費者に、情報の得方も含めた情報を提供することも可能ではないか
東京都では今後、今回の調査結果を踏まえて、事業者に対する改善指導のほか、都民への情報発信、インターネット関連業界への表示適正化要望及び事業者講習会などの施策に活用するとしています。
掲載:1月25日16時50分