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2008.04.05 薬剤師はさらなる役割を担うべき(英国)
英国保健省は3日、軽度の疾患(meiner ailment)の管理や健康増進、慢性疾患の管理は薬剤師が行い、地域薬局は“healthy living centres”としてGPの相補的な役割を担うべきとした、“Pharmacy in England: building on strengths - delivering the future”と題する白書を発表しました。
Millions to benefit from improved access to treatment,check-ups and health
advice from pharmacists
(Department of Health Press Relese 2008.4.3)
Pharmacy in England: building on strengths - delivering the future
(Department of Health 2008.4.3)〜関連レポートが複数掲載されています。
白書全文[PDF:1.28MB]
http://www.official-documents.gov.uk/document/cm73/7341/7341.pdf
英国では、医療へのアクセスが悪いこともあり、薬剤師を保健・医療の現場でさまざまな形で活用する試みが行われていますが、この白書では薬剤師が果たすべき役割などを具体化し、行動計画まで示しているのが特徴で、今後パブリックコメントを行うなどして具現化していくようです。
具体的な役割としては、肥満対策、喫煙問題、Sexual health、アルコール問題、禁煙指導への対応の他、風邪などの軽度の病気に関する対応(処方も含む?)、ワクチン接種、高血圧・糖尿病・喘息の管理、クラミジアなどの性感染症や血管疾患のスクリーニングなども含まれています。
保健相は「薬局は処方せん薬を供給するだけの場所ではない。地域住民の軽度の疾患を扱ったり、病気のスクリーニング、ヘルスアドバイスが可能な医療専門職(=薬剤師)が配置された場所である。99%の国民が住むところから20分に以内の場所に薬局があり、薬局を活用することで国民は利益を得ることができる」と述べ、今回の計画案に期待をよせています。
英国王立薬剤師会は今回の保健省の提案に歓迎の意を示す一方、英国医師会も「患者の長期にわたる包括的な管理はGPが行うことがベストではあるが、薬剤師も薬物治療において患者をサポートする役割がある。健康増進の手助けになるよう薬剤師に権限を与える今回の提案を支持する」としたうえで、患者のプライバシーが保たれる相談スペースが必要になるとのコメントを発表しています。
GPs' leader comments on extended role for pharmacists (issued Thursday 03 Apr 2008)
(BMA Press Release 2008.4.3)
http://www.bma.org.uk/pressrel.nsf/wlu/SGOY-7DCFMS?OpenDocument&vw=wfmms
HIGH STREET HEALTH CENTRES(RPSGB Press release 2008.4.3)
http://www.rpsgb.org/pdfs/pr080403.pdf
関連情報:TOPICS 2007.03.14 薬局における健康教育のためのツール(英国)
参考:Chemists 'to offer services'(BBC NEWS 2008.4.3)
http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/7326856.stm
Super chemists to treat half all minor ailments
(Telegraph 2008.4.4)
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2008/04/04/nchemist104.xml
4月5日 1:40掲載