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2007.01.20 納豆ダイエットは捏造
関西テレビの千草宗一郎社長は20日夕方記者会見を行い、フジテレビ系列で今月7日に放映した「発掘!あるある大事典2」の中でデータのねつ造があったとして陳謝した。ウェブサイトでも、お詫びのページが掲載されている。
それによると、
- 番組で紹介した被験者がやせたことを示す3枚の比較写真は、被験者とは無関係の写真を使用した
- テンプル大学アーサー・ショーツ教授の日本語訳コメントで、「日本の方々にとっても身近な食材で、DHEAを増やすことが可能です!」「体内のDHEAを増やす食材がありますよ。イソフラボンを含む食品です。なぜならイソフラボンは、DHEAの原料ですから!」 という発言したということになっているが、内容も含めてこのような発言は行っていない
- 番組で実験を行った8名の被験者について、コレステロール値、中性脂肪値、血糖値についての測定を行っていないにもかかわらず、「中性脂肪値が高くてお悩みだった2人は、完全な正常値に!」とコメントし数字をスーパーした
- あるあるミニ実験として、納豆を朝2パックまとめて食べた場合と、朝晩1パックずつに分けて食べた場合の比較実験を行ったが、血中イソフラボンの測定は行っておらず、比較結果は架空のものだった
- 番組で8名の被験者についてのDHEA量を測定し年齢の基準値と検査結果をテロップ表示したが、実際は検査を行っておらず、数字は架空のものだった
同社では「納豆にダイエット効果があるという学説があるのは事実。どうして実際と異なる放送を行ったかは現在調査中」としながらも、今回の捏造の発覚を受け、関西テレビでは21日分から、しばらく同番組の放送を中止する方針を明らかにした。
千草社長はデータのねつ造を認め「視聴者の皆さまの信頼を裏切ることとなり誠に申し訳ない。二度とないよう対策を講じる所存です」と謝罪するとともに、近く局内に調査委員会を作り、原因究明にあたるとともに、意図的な話題作りに関する番組の制作会社と流通業者との結託があったかどうかについても調査中であることを明らかにした。
報道を見る限り、番組のほとんどが捏造だったようです。今回の問題で、納豆をふだんから健康食として食べていた人が手に入らなくなっただけではなく、生産や流通の現場に大きな影響を与えています。一部の大手業者が事前に買占めたという指摘もあり、今回の関西テレビが放送した内容は大きな問題です。マスメディアには、昨年5月の白インゲン豆ダイエットによる健康被害の教訓というのはないのでしょうか。
深夜や地方局には、体験談と称する健康食品を宣伝する番組があふれています。今回の問題は、うやむやにせず、放送倫理委員会や政府もきびしく対応すべきです。
視聴者の皆様へ(関西テレビ1月20日)
http://www.ktv.co.jp/070120.html
関連情報:TOPICS 2007.01.12 ダイエットに効果? 納豆売り切れが続出
2006.05.23 白インゲン豆ダイエットによる健康被害
参考:読売新聞1月20日
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070120it13.htm
共同通信1月20日
ライブドアニュース1月20日
http://news.livedoor.com/article/detail/2988177/