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2007.10.03 リタリン処方規制へ、調剤を行う薬局も登録制か
3日の各紙は、リタリンについて、薬物依存者が求めるままに過剰処方されている事例が少なくないとして、厚生労働省と製造販売元のノバルティスファーマ社が、リタリンを処方できる医師や医療機関を限定するなどの流通規制を行う方針を固めたと伝えています。
ネット上の掲示板や投稿記事を見ると、「保険外であれば、医師の裁量で処方が可能なので心配ない」といった投稿が少なくなく、うつ病の適応症の取り下げだけでは、乱用問題は解決されないと考えていました。厚労省も、処方そのものを専門医に限定し、流通を厳しく管理することで、必要以外の使用が行われないような対策をとる必要に迫られたのでしょう。
近く、同社が医師、薬剤師、弁護士ら外部有識者による委員会をつくり、処方を認める医師や医療機関、調剤薬局のリストを作成することが検討されていて、この登録医師については、「ナルコレプシー」を正確に診断できる専門医(全国で数百人規模)に限定される見込みです。今月中に薬事・食品衛生審議会の部会を開いて、具体策が協議されるとのことです。
また、調剤する薬局についてですが、調剤時にリタリンが記載された処方せんが、登録医療機関・登録医師による発行のものであるかの確認を義務付け、登録がされていない場合は調剤を拒否し、同社に連絡するようにするとのことです。登録制がどのような形で行われるかはわかりませんが、偽造処方せんによるかけもち調剤などが行われないように、自立支援法と同じように、患者が薬局を一つに決めてもらうのも一つの方法ではないでしょうか。
一方、うつ病治療でリタリンにを頼っていた人たちにとって、今回の一連の動きは大きな不安をよんでいます。「一部の乱用者のために、リタリンが使えなくなるのはおかしい」との声は少なくなく、今後大きな波紋を呼ぶのではないかと思います。専門医の方に是非、リタリンについてのうつ病治療における臨床的な評価について、本来使うべき薬ではなかったのか、それとも限定でも使用されるべきなのか、こういった人たちが納得できるような見解を示してもらいたいと思います。
今回の問題を受けて、3日開催された厚生労働省薬事・食品衛生審議会薬事分科会で、有効性や安全性に問題はないとの結論が出された、日本初のADHD治療薬のコンサータ(対象は子どもですが)についても、管理体制を決める必要があるとして、製造販売の承認が留保されるという、異例の措置がとられています。コンサータについても製薬会社が医師や医療機関を登録し、取り扱える医師を限定する仕組みがとられるようです。 医療用麻薬よりも厳しい流通規制になるのか注目したいと思います。
関連情報:TOPICS 2007.09.21 リタリン、うつ病の適応症取り下げへ
2007.08.30 国内初のADHD治療薬、承認へ向けての動き
参考:朝日新聞10月3日
http://www.asahi.com/life/update/1002/TKY200710020531.html
共同通信10月3日
http://www.47news.jp/CN/200710/CN2007100301000253.html
http://www.47news.jp/CN/200710/CN2007100301000677.html
読売新聞10月3日
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071003ic22.htm
10月3日 10:30掲載 11:20更新 4日 0:30更新