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2008.04.23 緊急避妊薬は薬局で簡単に購入できるようにすべき(カナダ)
カナダでは、ECP（緊急避妊薬、morning-after pill、商品名“Plan B”）は要薬剤師薬（ScheduleⅡ）としてオーバー・ザ・カウンターでの販売が行われていますが、全国薬局調整機関（NAPRA：National Association of Pharmacy Regulatory Authorities）の医薬品分類に関する諮問委員会（NDSAC：National Drug Scheduling Advisory Committee）がこのほど、PlanBの一部の包装について、薬局用薬（ScheduleⅢ）への分類の変更を行う勧告を行っています。
発売元のPaladin Labs社は歓迎する一方、薬剤師を介さずに販売が可能になることから波紋を呼んでいます。
Plan B proposal limits pharmacists' role
（National Post 2008.4.22）
http://www.nationalpost.com/news/story.html?id=461872
Drug Scheduling notice board（NAPRA）
http://www.napra.org/docs/0/92/111.asp
Canadian Women to Be Granted Easier Access to Emergency Contraception
（Paladin Labs Inc. 2008.4.14）
http://www.marketwire.com/mw/release.do?id=843589
カナダでは、ECPは2005年4月に要薬剤師薬としてスイッチされていますが、販売時には購入希望者に対して下記のようなフォームを用いた質問が行われています。（おそらく現在もこれが使われているようです）
Screening Form for Emergency Contraceptive Pills(ECPs)
（Canadian Pharmacists Association）
内容は連絡先などの個人情報の他、最終生理日、いつ無防備なセックスを行ったか、どのような避妊方法を行っているかなども含まれ、カナダ薬剤師会は、「相互作用のチェックや薬の安全な使用のために、必要な情報をとったまでである」と理解を求めていましたが婦人団体からは「プライバシーの侵害」などとも指摘されていました。また、「マージンの他になぜカウンセリング料と称してお金を請求するのか」という声もあったようです。
こういった経緯もあり、婦人団体などからは今回の勧告に歓迎の意を示す一方、薬剤師からは相互作用などの情報提供や避妊や性感染症などのアドバイスが行えなくなるのではないかと不安の声もあるようです。
NATIOAL POST紙によれば、“in front of the counter”での販売形態はノルウェー、スウェーデン、オランダの３カ国ではすでに可能になっていることもあり、最終的には5月14日にNAPRAが決定するだろうと伝えています。
日本では、処方せん医薬品として発売されるのはもう少し先になりそうです。
関連情報：TOPICS 2005.11.03 OTCとして供給される緊急避妊薬（英国）
2006.08.25 FDAが緊急避妊薬のOTC化を条件付で承認
資料：CPhA Takes Actio：Emergency Contraception
（Canadian Pharmacists Association）
plan B - Emergency Contraception - Morning After Pill
http://www.planb.ca/
（トップページのアニメーションには笑ってしまいます）
Privacy issues raised over Plan B: women asked for names, addresses, sexual history
（CMAJ 2005;173(12):1435-6.）
http://www.cmaj.ca/cgi/content/full/173/12/1435
（後に雑誌編集の独立性をめぐって大きな波紋になった記事でもあります）
4月23日 0:20掲載