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2004.12.29 海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.2 No.24
2004.12.22 家庭用品に係る健康被害病院モニター報告が公表
2004.12.22 医薬品・医療用具等安全性情報208号
2004.12.22 適切な食生活を“指南”〜国がフードガイド策定へ(2005.9.13更新)
2004.12.11 サリドマイド使用にガイドライン(未承認薬では初)
2004.12.06 たばこ規制枠組み条約が、来年2月末発効へ
2004.12.03 厚労省、未承認薬の「混合診療」容認へ
2004.11.29 日本ジェネリック研究会、「ジェネリック医薬品お願いカード」を作成
2004.11.20 用語見直し、「痴呆」から「認知症」へ、厚労省行政用語を変更へ
2004.11.19 「のむ中絶薬」で、厚労省が警告
2004.11.11 ケアマネージャー更新制に…5年ごと研修義務化へ
2004.11.06 JT、たばこの喫煙の危険性を警告する「注意書き」をより具体的に
2004.11.05 From Compliance To Concordanceという新しい潮流
2004.11.04 厚生労働省が、ジクロスボス蒸散剤の安全対策について発表
2004.11.03 栃木県医師会が、県内の医療機関検索サービスを開始
2004.10.27 国立健康・栄養研究所が「健康食品」の誇大広告を見破る9か条を発表
2004.10.15 FDAが全ての抗うつ剤に警告表示指示
2004.10.09 高血圧治療ガイドライン2004(JSH2004)が発表される
2004年10-12月 → 1月
2004.12.29 海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.2 No.24
国立医薬品食品衛生研究所は、12月22日、医薬品安全性情報(海外規制機関 医薬品安全性情報) Vol.2 No.24を公表しました。
SSRIの安全性(英国 MHRA、豪 TGA、EU、EMEA)、抗うつ剤に関する情報、選択的COX-2阻害剤の情報(米国FDA、カナダ Health Canada、豪TGA)などの情報が掲載されています。
2004.12.22 家庭用品に係る健康被害病院モニター報告が公表
厚生労働省では、家庭用品に係る健康被害病院モニター報告制度により、家庭用品等に係る健康被害の実態を把握し公表しているが、このほど、モニター病院(皮膚科8施設、小児科8施設)の医師による報告事例(皮膚障害、小児の誤飲事故)及び、(財)日本中毒情報センターが収集した家庭用品等による吸入事故等と思われる事例が、「平成15年度厚生労働省では、家庭用品に係る健康被害病院モニター報告制度」により、家庭用品等に係る健康被害の実態を把握し公表しているが、このほど、モニター病院(皮膚科8施設、小児科8施設)の医師による報告事例(皮膚障害、小児の誤飲事故)及び、(財)日本中毒情報センターが収集した家庭用品等による吸入事故等と思われる事例が、「平成15年度家庭用品に係る健康被害病院モニター報告」として、まとめられ、12月22日に公表された。
厚労省:平成15年度家庭用品に係る健康被害病院モニター報告について
報告は、以下の3つの報告で構成されている 詳しくは、こちらです。
1.家庭用品が原因と考えられる皮膚障害に関する報告
(原因家庭用品は、装飾品が48件、洗剤が38件、ゴム・ビニール手袋が18件等)
2.家庭用品等に係る小児の誤飲事故に関する報告
(誤飲事故の原因製品は、タバコが350件、医薬品・医薬部外品が99件等)
3.家庭用品等が原因と考えられる吸入事故等に関する報告
(吸入事故等の原因製品は、殺虫剤類が195件、洗浄剤が127件等)
日薬雑誌平成17年2月号にも掲載されています。
2004.12.22 医薬品・医療用具等安全性情報208号
厚労省は、12月21日医薬品・医療用具等安全性情報208号を公表しました。
このうち、インターフェロンアルファ(販売名:スミフェロン300他)とテリスロマイシン(販売名:ケテック錠)については、重要な副作用に関する情報が掲載されています。
インターフェロンアルファ→肺炎、無菌性髄膜炎
テリスロマイシン→意識消失、肝機能障害・黄疸
詳しくはこちらです。
2004.12.22 適切なな食生活を“指南”〜国がフードガイド策定へ
2002年3月、当時の文部省、厚生省、農林水産省により、「食生活指針」が策定され、各省ごとに、心身ともに健康で豊かな食生活の実現に向けた普及・啓発が行われてきた。
このほど、厚労省と農水省はこれらをより具体的にするために、何をどれだけ食べればよいのかを、具体的に分かりやすく紹介する「フードガイド(仮称)」を作ることを決めた。年内に栄養学の専門家のほか、外食産業の関係者らも含めた検討会を設置、年度内に内容を決めるという。
ガイドは、体格などに応じた1日の適切な食事量や、標準的なメニューを例に1回の外食や弁当などで取るカロリーや脂肪量などを、イラストや写真も使って一目で理解できるようにする予定とのこと。
また、形式もパンフレットや冊子の他、携帯用の小型版、コンビニやファミリーレストランでの配布用などさまざまなものを検討、また食品の外側に表示することも検討しているとのこと。
関連:第1回フードガイド(仮称)検討会(2004.12.24開催)
議事録 資料
第2回フードガイド(仮称)検討会(2005.3.7開催)
議事録 資料
第3回フードガイド(仮称)検討会(2005.3.31開催)
議事録 資料
第4回フードガイド(仮称)検討会(2005.4.26開催)
議事録 資料
第5回フードガイド(仮称)検討会(2005.5.31開催)
議事録 資料
第6回フードガイド(仮称)検討会(2005.6.21開催)
議事録 資料
第7回フードガイド(仮称)検討会(2005.7.5開催)
議事録 資料
フードガイド(仮称)の名称及びイラストの決定・公表について(2005.6.21)
食事バランスガイド(農水省)http://www.maff.go.jp/food_guide/balance.html
参考:共同通信12月21日
2004.12.11 サリドマイド使用にガイドライン(未承認薬では初)
1960年代、四肢奇形・重度の先天異常などの深刻な薬害をもたらした、サリドマイドという薬をご存知でしょうか? 日本での製造承認消失後も、諸外国では薬効の研究が続けられていて、現在、ハンセン病に伴う結節性紅斑(98年米国FDA認可)の他、多発性骨髄腫に対する有効性が1999年頃より明らかにされています。このため近年日本でも、このサリドマイドを治療用として医師が個人輸入するケースが急増(2003年の輸入量は53万錠)」しているという。
ところが、各医療機関におけるサリドマイドの使用と管理については必ずしも適正に行われているとは言えず、服用患者のみならず社会的にも新たな薬害が発生する危険性を否定できない現状にあるという指摘がされていた。このため、厚労省は、適正な使用を促すための「多発性骨髄腫に対するサリドマイドの適正使用ガイドライン」を10日公表し、現場の医師・薬剤師に周知徹底するよう求めている。薬事法の対象外となる未承認医薬品について、国がガイドラインを作って規制するのは初めてだという。
「多発性骨髄腫に対するサリドマイドの適正使用ガイドライン」について
(厚労省2004年12月10日)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/12/h1210-2.html
このガイドライン本文では、「サリドマイドの薬品管理は、個人輸入を行った担当医師及び責任医師の監督下でその特性を熟知した薬剤師を責任薬剤師に任命し、管理させることが必要である。医療機関の薬剤部門をサリドマイドの管理組織とし、責任薬剤師は管理基準に関する文書を作成して、遵守すべきである。」として、管理・交付・説明の場で、責任薬剤師の果たすべき役割を、具体的に明記しています。
また、サリドマイドの歴史的経過や、現状についても記されていて、サリドマイドへの理解を深める上で、一度は、目を通しておいてもよいと考え、今回紹介します。
参考:読売新聞12月11日
2004.12.06 たばこ規制枠組み条約が、来年2月末発効へ
WHOは1日、たばこの広告や販売促進を制限する「たばこ規制枠組み条約」が来年2月28日に発効すると発表した。この条約により、今後5年で広告を原則禁止とすることや、健康に与える被害が少ないという誤解を与える「マイルド」「ライト」といった商品表示ができなくなる。
日本でも条約発効に備え、電車やバス内の商品広告の禁止に加え、来年3月をメドに屋外や駅構内の広告看板を禁止、来年6月末の出荷分までには、たばこの包装にはすべて健康に影響を与える旨の注意表示を明記するという。
日本は今年6月までの通常国会で、この条約に批准している。
WHOの News release:http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2004/pr89/en/
関連情報:TOPICS
2004.11.06 JT、たばこの喫煙の危険性を警告する「注意書き」をより具体的に
参考:日本経済新聞12月2日
2004.12.03 厚労省、未承認薬の「混合診療」容認へ
厚労省は、首相の指示を受けていくつかの分野について混合診療の実現を検討していたが、抗がん剤など先端薬は、患者のために早急な解禁が必要と判断、ほかの分野に先行して、年内にも具体策を詰めるという。
具体的には、国内未承認であっても、欧米では有効性や安全性が確認されて普及していて、国内でも治験などの承認手続きに入っている薬が対象となりそうだ。
現在でも、国内で製造又は輸入が承認されているが、薬価収載されていない薬を使った場合に限り、「薬代のみ全額負担、他は保険対象の医療費」という「特定療養費制度」があるが、新方針を適用すると、対象となる医薬品が拡大されることとなる。
日本医師会は、「財政難を理由に最新の医療が健康保険に導入されなくなる」「費用が負担できる人しか必要な医療が受けられなくなる」「費用の負担できる人とできない人の間に不公平が生じる」「医学医療の進歩の享受は国民皆保険によって国民全員が受けるべき」といった混合診療の問題点を指摘し、今回の動きに対しても、「安全で有効なことが客観的に証明されるならば速やかに保険適用にすべき」「保険適用にするためのルールこそ規制緩和すべきである」「健康保険の適用の判断基準を明確にして審議や結果をオープンにすることが必要」として、反対の立場を示している。
12月15日に尾辻厚生労働大臣と村上規制改革担当大臣との間に合意事項が交わされ、現行の特定療養費制度の拡充による、一部混合診療の導入が決まりました。
資料:日本医師会HP:混合診療ってなに?〜混合診療の意味するものと危険性〜
内閣府 規制改革・民間開放推進会議:会議情報(第2回官製市場民間開放委員会)
「混合診療について」「営利企業による医療の支配」等の医師会提出の資料がわかります。
関連情報:混合診療とは(Keywords)
参考:日本経済新聞12月3日
規制改革・民間開放推進会議で配布された、日本医師会の資料「混合診療について」
2004.11.29 日本ジェネリック研究会、「ジェネリック医薬品お願いカード」を作成
ジェネリック(GE)医薬品の品質承認、製造・流通問題に関する研究や、GE医薬品の市民への認知・啓発普及活動に取り組む、日本ジェネリック研究会は、このほど、患者側から処方医に対しGE医薬品の使用を求めやすくするための「ジェネリック医薬品お願いカード」を作成した。
カードには、表面に研究会名と「私はジェネリック医薬品の処方を希望します」、また裏面には「医療従事者の皆様へ」として、GE医薬品がある場合には、GE医薬品(または一般名)での処方を求める記載がされている。
カードは配布ではなく、同研究会のホームページ(www.ge-academy.org)から、「ジェネリック医薬品お願いカード」として、PDFまたは画像ファイルで入手することができる。
参考:薬事日報 Head Line NEWS 11月29日
きょうの健康テキスト2004年12月号
2004.11.20 用語見直し、「痴呆」から「認知症」へ、厚労省行政用語を変更へ
厚労省の『「痴呆」に代わる名称を決める検討会』が19日開かれ、「痴呆」を「認知症」に変更することで大筋合意したという。12月24日に開かれる予定の次回検討会で正式決定し、来年以降、行政の文書などに登場する見通しとのこと。
既に厚労省は、(1)わかりやすく短い (2)不快感や侮辱感を感じさせたり、気持ちを暗くさせたりしない (3) 「痴呆」と同じ概念を表し混乱なく通用する代替用語として、6つの候補に絞り込んで、9月13日より国民の意見を募集していた。その結果、6333件の意見が寄せられ、適切な認識ができない痴呆の特徴を表した「認知障害」が第一位(1118件)となり、以下、「認知症」「記憶障害」「アルツハイマー」「もの忘れ症」「記憶症」の順となった。
しかし、最も賛成意見が多かった「認知障害」については、「精神医学ですでに使われており、採用されると、精神医学全体に混乱が起きる」「『障害』などのマイナスイメージのある字は望ましくない」という意見が出されて、採用は見送られた。そして、一般の支持が多く、短い言葉という判断から、今後「認知症」を「痴呆」の代替用語とすることでまとまったという。
厚労省審議会議事録
「痴呆」に替わる用語に関する検討会(第3回 平成16年11月19日)配布資料
資料1:「痴呆」に替わる用語に関する意見募集結果
資料2:意見募集の際に寄せられたお手紙やメールより
資料3:パブリックコメント結果を踏まえた検討メモ
「痴呆」に替わる用語に関する検討会報告書(平成16年12月24日)
参考:産経新聞9月20日、11月20日読売新聞他
2004.11.19 「のむ中絶薬」で、厚労省が警告
最近、インターネットを通じた個人輸入で日本でも出回っている、日本では未承認の「飲む中絶薬」の話題が紙面で取り上げられています。
この薬は、妊娠が継続するのに必要なプロゲストンの作用を抑制する mifepristone(別名:RU486、製品名:EU:Mifegyne 米国:Mifeprex 中国名:息隠)で、子宮収縮作用薬と併用することにより、妊娠後(最後の月経が始まった日から)49日以内であれば、妊娠を終了することができるものとして欧米では認可されているそうです。
日本でも、中国品がインターネットを通じた個人輸入で出回り、厚労省によれば、今年6月、この薬を服用した20代の女性から「出血が止まらない」といった被害報告や、禁忌の子宮外妊娠の女性が服用して緊急手術に至った事例が報告されています。同省は10月25日、出血多量などの副作用の恐れがあるとして、個人輸入ができないように、規制を強化し、安易な服用を避けるよう呼びかけています。
厚労省の発表:http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/10/h1025-5.html
また、FDA(米国食品医薬品局)も、敗血症や子宮外妊娠の女性の卵管破裂などの被害報告を受け、11月15日にこれら副作用についての、警告の表示を強化するとの発表をしています。
FDAの発表:http://www.fda.gov/bbs/topics/news/2004/NEW01134.html
日薬雑誌2004年12月号に関連記事があります。
参考:共同通信9月25日、10月25日、11月16日、読売新聞11月19日
2004.11.11 ケアマネージャー更新制に…5年ごと研修義務化へ
記事厚生労働省は10日、介護保険のケアマネジャー(介護支援専門員)について、資格の更新制を導入し、2006年度からの実施を目指す方針を決めたという。
この制度は2000年に施行されたが、同省によれば人員確保を優先した結果、「玉石混交」といった状態が続き、利用者の状態を十分に把握せずに症状を悪化させたり、サービス給付が不適切で無駄があったりするなど、基本的業務が不十分なケースが数多く報告されているという。
今回の方針は専門職としての能力や知識を一定水準以上に保つのが狙いで、ケアマネージャーの有資格者に交付される、都道府県による「登録証」を5年ごとの更新制とし、「更新時研修」の受講を条件とする。更新しないと資格が停止され、ケアマネージャーの実務はできなくなるが、研修を受講した段階で、資格停止は解除されるといった制度に改められるという。
同省によると、医療・介護の専門職の公的資格で、質の担保を目的とした更新制の導入は初めてとのこと、今後同様のことが、薬剤師という資格にも及ばないか、気になります。
資料:厚労省、第9回社会保障審議会介護保険部会での資料(『サービスの質』関連)
・ケアマネジメント業務の状況
(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/02/s0223-8d3.html)
・ケアマネージャーの資質向上
(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/02/s0223-8d6.html)
・ケアマネーシャに対する評価等
(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/02/s0223-8d7.html)
参考:読売新聞11月11日
2004.11.06 JT、たばこの喫煙の危険性を警告する「注意書き」をより具体的に
JT(日本たばこ産業)は、5日、喫煙の危険性を警告するたばこの「注意書き」を、より具体的で目立つ表記に変えた新デザインにすると発表した。今月下旬から、ハイライトなどまず11銘柄について切り替えをし、残る86銘柄も来年6月末までに順次変更するという。新デザインでは包装の表裏両面に各3割以上の面積割合を使って記載されるとのこと
関連ページ(http://www.jti.co.jp/News/04/NR-no24/no24.html)、JTのHPはこちら
一方、欧州ではさらに厳しく、EUでは、禁煙推進のため「たばこの害」を警告するため、黒ずんだ肺など42種類の写真を作成、加盟国にたばこの箱に添付するよう呼び掛けている。加盟国に添付する義務はないが、これまでにアイルランドとベルギーなどが導入を検討しているという。
参考:共同通信・毎日新聞10月23日、毎日新聞11月6日
2004.11.05 From Compliance To Concordanceという新しい潮流
“From Compliance To Concordance”という概念をご存知でしょうか? この概念は、服薬における患者さんと医療専門職との新たな関係のあり方として、1997年英国薬剤師会が提唱したもので、英国では2007年までの普及をめざして、薬剤師会が中心となって、現在さまざまな取り組みがされているそうです。
“compliance”と聞くと私たちもピンとしますが、“concordance”という言葉は初めてではないでしょうか? 文献 1.2 によれば、“conocordance”とは、「服薬における協力関係(partnership)」「治療同盟の構築」「患者との協力関係に基づく薬の処方と使用のプロセス」などと定義されています。2004年のFIPでも、ワークショップのテーマとして取り上げられていて、将来、ファーマシューティカル・ケアの中で重要な位置を占めていくものと考えています。
関連サイト:medicines-partnership(http://www.medicines-partnership.org/)
関連情報:コンコーダンスとは(keywords)
文献 1.本島玲子:患者を指導する時代からパートナーにする時代へ,
Pharmavision 8(10), 2-6 (2004)
2.J.A.ミュア・グレイ:患者は何でも知っている-EBM時代の医師と患者,
中山書店, 182-183 (2004)
2004.11.04 厚生労働省が、ジクロスボス蒸散剤の安全対策について発表
厚生労働省は11月2日、ジクロスボス蒸散剤(商品名:バポナ殺虫プレート他)の安全対策について発表した。発表によれば、ジクロスボス殺虫剤安全性検討会での検討の結果、吊り下げタイプの製剤を、高い濃度で毎日24時間暴露した場合には、安全域を上回る恐れがあると考えれるため、人が長時間留まらない場所での使用に限定するようにとの通達を行った。
今後は、居室(事務所・教室)や、食堂などの飲食する場所、居室にある戸棚・キャビネット内などでは使用をしないようにとする、使用上の注意の改訂を行い、日本薬剤師会等の関係団体に対しても、薬剤師等が本剤の適正使用情報の提供を行うよう協力を依頼した。
厚生労働省の発表 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/11/h1102-6.htm
日薬雑誌2004年12月号にも関連記事があります。
2004.11.03 栃木県医師会が、県内の医療機関検索サービスを開始
このページでは、県内の医療機関を所在地・診療日・診療時間・標榜診療科での検索することが可能です。また、各医療機関項目ごとの詳細情報も、予約制・往診・駐車場の有無の他、禁煙外来・院外処方の実施の有無や、検診・予防接種についての情報や、所在地の地図表示などが可能で、充実しています。
栃木県医師会のHPはこちら
医療機関検索サービスのページはこちら
2004.10.27 国立健康・栄養研究所が、「健康食品」の誇大広告を見破る9か条を発表
10月27日、独立行政法人、国立健康・栄養研究所は、健康食品の安全性、有効性情報のサイトで、健康食品の虚偽誇大な広告にだまされない方法として、実際に使われるフレーズや表示を9つのパターンに分類し分かりやすく例示した、誇大広告を見破る9か条を発表した。
また、10月25日には、経済産業省も、健康食品の広告で根拠のない過大なダイエット効果をうたうような、誇大広告を取り締まるための「特定商取引に関する法律第6条の2等の運用指針−不実勧誘・誇大広告等の規制に関する指針−」を公表した。今後は、製品の効果を示す時には専門機関による実験結果や、学術論文などによって効果を裏付けた資料を求めるという。
いずれも、消費者保護の充実を目指すものではあるが、私たち販売側のモラルや、科学的根拠に基づく情報のよりいっそうの提供が求められているのでしょう。
参考:10月25日共同通信 10月26日日本経済新聞
2004.10.15 FDAが全ての抗うつ剤に警告表示指示
10月15日、FDA(米国・食品医薬品局)は、SSRIだけではなく全ての抗うつ剤について、未成年が服用した場合、自殺を誘発する恐れがあるとして、医師や患者、患者の家族らに使用上の注意を促すため、医薬品警告としてはもっとも厳しい「ブラックボックス警告」を製品に表示するよう製薬会社に命じたという。
元記事(http://www.fda.gov/cder/drug/antidepressants/default.htm)
FDAの発表(http://www.fda.gov/bbs/topics/news/2004/NEW01124.html)
FDA関連ページ(http://www.fda.gov/cder/drug/antidepressants/SSRIPHA200410.htm)
上記ページの訳文の一部が、国立医薬品食品衛生研究所の海外規制機関・医薬品安全性情報のVol.2 No.20(PDF)に掲載されています。
参考:10月16日読売新聞
2004.10.09 高血圧治療ガイドライン2004(JSH2004)が発表される
日本高血圧学会は、10月9日、2004年度版の「高血圧治療ガイドライン」を発表した。新しい基準では、65歳以上を140/90未満に一本化し、また糖尿病患者は130/80未満にするなど、従来より治療目標のハードルを高くした。
また、1日あたりの塩分制限を従来の6グラム未満に、また肥満の指標として普及しているBMIも採用して、BMI値が25を超えないこととする新しい基準も取り入れている。
Cardiovascular On-lineの、高血圧治療ガイドライン2004(JSH2004)の概要
札幌厚生病院循環器科の、 高血圧治療ガイドライン2004の概要
参考:日本経済新聞10月10日