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2005.01.27 3種類の未承認抗がん剤について、混合診療を了承
2005.01.27 医薬品・医療用具等安全性情報209号
2005.01.26 記録的な花粉飛散に備えて、厚労省が緊急対策を通知
2005.01.24 脱法ドラッグ法規制へ 厚労省が検討会
2005.01.21 「妊婦のためのクスリ情報センター」構想(10/16更新)
2005.01.18 たばこ多いほど自殺の危険性-厚労省研究班がまとめる(6/7更新)
2005.01.18 海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)vol.3 No.1
2005.01.17 日薬、高齢者介護における薬剤師向けツールを公表
2005.01.15 「テリスロマイシン」による意識消失等に関する安全対策
2005.01.11 広がるノロウイルス
2005.01.10 要介護認定の申し込み、代理申請は原則禁止に
2005.01.10 大衆薬で開発連合
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2005.01.27 3種類の未承認抗がん剤について、混合診療を了承
厚生労働省の「未承認薬使用問題検討会議」の初会合が24日開かれ、「サリドマイド」「オキサリプラチン」「ペメトレクスド」の3種類の未承認の抗がん剤について、「治験制度」で混合診療を認めることを了承した。
検討会議では、今後は下記について検討するという。
- 欧米諸国での承認状況の定期的な把握
- 学会及び患者の要望の定期的な把握
- 国内未承認薬の臨床上の必要性と使用の妥当性に関する科学的検証
- 「企業依頼」及び「医師主導」の治験への振り分けと確実な実施
- 安全性確認試験の確実な実施 等
関連情報:混合診療とは(Keywords)
未承認医薬品使用問題(Keywords)
TOPICS 2004.12.11 サリドマイド使用にガイドライン(未承認薬では初)
2005.01.27 医薬品・医療用具等安全性情報209号
記事厚労省は、1月27日医薬品・医療用具等安全性情報209号を公表しました。
このうち、防疫用殺菌消毒剤フタラール(販売名:ディスオーパ消毒液0.55%)については、重要な副作用に関する情報が掲載されています。
詳しくはこちらです。
2005.01.26 記録的な花粉飛散に備えて、厚労省が緊急対策を通知
厚生労働省は21日、この春予想されているスギ花粉の大量飛散に備えて、都道府県に対し、住民向けの相談窓口設置やパンフレットやポスターによる正しい情報を行うなどの体制を整えるよう通知した。また、医師会・薬剤師会などに対しても、適切な医療を確保できるよう協力依頼を行った。
なお、厚生労働省が実施する、花粉症に対する緊急対策に係る各種資料等は、厚生労働省ホームページ内「花粉症特集」のページに一月中を目途に随時されるという。
花粉症に対する緊急対策の実施について(厚労省1月21日)
「花粉症特集」(厚労省 リウマチ・アレルギー情報)
平成17年度花粉症緊急対策(都道府県等担当者・医療従事者等向け 厚労省)
花粉症に関する相談マニュアル
医療従事者等向けQ&A
2002年版・鼻アレルギー診療ガイドライン・ダイジェスト版[PDF]
(財団法人 日本アレルギー協会・医療従事者向け情報)
2005.01.24 脱法ドラッグ法規制へ 厚労省が検討会
法律の規制外にある「脱法ドラッグ」について、厚生労働省は23日までに、薬事法や麻薬・向精神薬取締法の改正など、本格的な法規制に乗り出す方針を固めた
これまで有害性を個別に調べ麻薬指定などで対処してきたが、次々と化学構造が少し違うだけに新しい種類が開発されていて、「いたちごっこ」状態になっている。
このため厚労省は、医学や薬学の専門家のほか、刑法、少年問題などに詳しい識者ら十数人で構成される検討会を2月に設置し、2006年の通常国会での法改正を念頭に今年10月までに結論を出す考えだという。
既に東京都が都条例での規制に乗り出しているが、これにより初めて全国にまたがる全面的な法規制が実施されることになる。
厚労省などによると、脱法ドラッグは現在、100種類以上あるといわれていて、「人気商品」も半年程度で入れ替わるという。
資料:脱法ドラッグ対策のありかたに関する検討会の開催について
(2004年1月25日WAM NET掲載)
あぶないドラッグ〜脱法ドラッグ対策
(東京都福祉保健局健康安全室薬事監視課)
危険! 脱法ドラッグ
(神奈川県衛生研究所)
2005.01.22 「妊婦のためのクスリ情報センター」構想
1月18日、厚生労働省において「妊婦の服薬情報等の収集に関する検討会」が開催され、検討会の資料が掲載されたので紹介したい。
載の資料によれば、平成17年度に国立成育医療センターに、医師・薬剤師・データ処理要因を配置した「妊婦のためのクスリ情報センター(仮称)」が開設されるという。今後は、構想としてあげられている、次のような事業について今後検討していくという。
- 服薬に不安を抱える妊婦から相談を受ける「相談業務」の取り組み
- カナダのトロント大学の「胎児への影響に関する情報」のデータベース化
〜トロント小児病院マザーリスク・プログラムのステートメントの活用 - 既存の文献を活用した基礎情報の整備
〜文献情報の活用、厚生労働省に報告される研究報告の活用 - 相談業務を通じて収集した、出生児に関する情報を蓄積する
- 集積した情報は、医薬品の添付文書へ反映し、妊婦に対する情報の周知を図る
資料:第1回妊婦の服薬情報等の収集に関する検討会(2005年1月18日開催)
資料(厚労省1月27日掲載) 議事録(厚労省4月21日掲載)
第2回妊婦の服薬情報等の収集に関する検討会(2005年7月7日開催)
資料(厚労省7月15日掲載) 議事録(厚労省9月5日掲載)
第3回妊婦の服薬情報等の収集に関する検討会(2005年8月24日開催)
資料(厚労省9月1日掲載) 議事録(厚労省10月16日掲載)
「妊娠と薬情報センター」の設置について(2005年9月28日、厚労省)
参考:読売新聞1月21日
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20050121so12.htm
2005.01.18 たばこ多いほど自殺の危険性-厚労省研究班がまとめる
日本人の中高年の男性では、1日に吸うたばこの本数が多いほど自殺する危険性が高まるとの大規模疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)がまとめた。研究班は「たばこの本数の多い人の心の健康に注意を払う必要がある」と提言している。21日から大津市で開かれる日本疫学会で発表される。
研究班は90年と93年に岩手、長野、高知、長崎、沖縄など8県に住む40〜69歳の男性約45,000人の生活習慣などを調べ、2000年まで健康状態を追跡調査した。この間に自殺が確認された173人について、喫煙との関係を調べた。
調査開始時は、173人中108人が喫煙者だった。1日20本未満の喫煙者の自殺割合は非喫煙者と同程度だったが、1日30本以上40本未満のグループは20本未満のグループに比べ1.4倍、40本以上のグループは同1.7倍高かったという。吸い始めてからの年数による差は見られなかった。
高知大が昨年まとめた司法解剖例の調査でも、たばこを吸う習慣がある人では、自殺した人の血液中のニコチン濃度が事故や病気で死亡した人よりも高いとの結果が出ているという。
日本は年間3万人を超える自殺者が出ており、自殺による死亡率が世界でも非常に高い。研究班は「喫煙と自殺を結びつけるメカニズムはよく分かっていないが、ニコチン依存がうつ病の危険性を高めるという研究結果もある。禁煙で自殺が減るかどうかは研究課題だが、喫煙本数の多い人の心の健康に注意することは、自殺予防対策に有効だろう」としている。
資料:喫煙と自殺の関係(JPHC リサーチニュース)
http://epi.ncc.go.jp/jphc/rnews/news012.html
参考:毎日新聞1月18日、共同通信1月17日
2005.01.18 海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.3 No.1
国立医薬品食品衛生研究所・安全情報部は、1月17日、医薬品安全性情報(海外規制機関 医薬品安全性情報) Vol.3 No.1を公表しました。
選択的COX-2阻害剤(Celebrex 他)、ナプロキセン(ナイキサン)、ゲフィニチブ(イレッサ)、インフリマキシブ(レミケード)、テリスロマイシン(ケテック)、リネゾリド(ザイボックス)、セフトリアキソン(ロセフィン)、オランザピン(ジプレキサ)、カフェインを含有する自然ダイエット製品などの情報が掲載されています。
2005.01.17 日薬、高齢者介護における薬剤師向けツールを公表
日本薬剤師会の高齢者・介護保険等検討会(職能対策委員会)は、薬剤師が高齢者介護の現場(薬局窓口・在宅・施設等)において活用するためのツールとして、「薬剤師による食事・排泄・睡眠を通した体調チェック・フローチャート」を作成し、このほど公表した。
本ツールは、食事・排泄・睡眠について、患者の日常生活の変化や身体に関する訴えから、薬物の生活機能等への影響を紐解くためのヒントとなるように作成されている。フローチャート式になっていてわかりやすく、また、用語解説も充実している。
さらに、薬剤師が他の職種との連携や協働にも配慮されていて、日常業務に役立つと思われる。
日本薬剤師会ホームページの
会員向け医薬及び薬事情報のページからPDFで入手可能。
関連情報:健康づくりのための睡眠指針検討会報告書(厚労省:2003年3月)
2005.01.15 「テリスロマイシン」による意識消失等に関する安全対策
厚生労働省は、テリスロマイシン(販売名:ケテック錠)の服用後に、意識を失ったとする事例が6件(50代女性:運転中に小川に転落、50代男性:対向車と衝突し軽傷を負う、その他、トイレで倒れた事例や、2回にわたり服用4時間後に倒れた事例など。但し、詳しい因果関係は不明)報告されたことから、昨年12月21日、医薬品・医療用具等安全性情報208号を出し注意を呼び掛けるとともに、12月29日には当面の措置として「危険を伴う機械の操作を控えるよう指導する」旨医薬関係者に情報提供するよう指導していた。
ところが、21日の報告後の1週間でも、新たに、自動車運転中に対向車と接触するなど、8件の事例が報告されたことから、製造元のアベンティスファーマに対し、「意識消失、視調節障害、霧視等があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。投与にあたっては、これらの副作用が発現する場合があることを患者等に十分に説明し、これらがあらわれた場合には、直ちに投与を中止し、医師の診察を受けるよう指導すること。」とする添付文書の改訂を指示した。
抗生物質「テリスロマイシン」による意識消失等に関する安全対策について
(厚労省:2005年1月14日)
現実問題、都会地ならともかく、地方では通院や通勤、通学に自動車を利用するのは一般的です。となると、服薬指導の場でこういった情報を提供したとき、服用に際し不安を感じたり、処方の変更を求めるケースも出てくるのではないでしょうか。有効性と安全性を考えると、とても難しい問題です。
参考:共同通信12月21日、読売新聞1月15日
2005.01.11 広がるノロウイルス
共同通信のまとめによれば、1月11日現在、全国の高齢者施設で相次いで発生している感染性胃腸炎の発症者は昨年12月以降で約3000人、死者は12人に達しているという。また、発症者の3割近くに当たる886人からノロウイルスが検出されている。
また、高齢者施設だけでなく学校や幼稚園、病院などの施設でも1332人が発症、うち1人が死亡しており、ノロウイルスの流行シーズンが始まった昨年11月以降だと数字はさらに増えるという。
以下に、厚労省などのノロウイルスのWEB情報を示したい。
資料:今冬の感染性胃腸炎の集団発生事例について (厚労省、2005年1月12日)
高齢者施設における感染性胃腸炎の発生・まん延防止策の徹底について
(2005年1月11日、厚労省の各自治体への通知)
ノロウイルス食中毒の予防に関するQ&A(厚労省、2004年4月26日改定)
国立感染症研究所感染症情報センター
胃腸炎関連カリシウイルス(ノロウイルス、サポウイルス)総論
ノロウイルス感染症(感染症の話)
ノロウイルス食中毒のQ&A(大阪府健康福祉部食の安全推進課)
ノロウイルス(ノーウォーク様ウイルス、SRSV)による感染性胃腸炎について
(横浜市衛生研究所)
ノロウイルス(SRSV(小型球形ウイルス))
(東京都健康局食品医薬品安全部食品監視課)
参考:共同通信1月11日
2005.01.10 要介護認定の申し込み、代理申請は原則禁止に
厚生労働省は、介護保険制度改革の一環として、2006年度から、要介護認定の申し込みを民間業者などによる代理申請を原則禁止とし、高齢者本人か家族に限るという方針を打ち出した。
現在、代理申請の比率は8割を占めているが、今後は、単身高齢者のための「地域包括支援センター」を市町村ごとに設置し、病院と連携し、要介護状態になる前から点検し、申請を手助けする。
半年〜1年目ごとの認定更新時は、利用するケアマネージャーや特別養護老人ホームなど、施設に限って代理を認める制度に改めるという。
また、同時に要介護認定の調査を原則として市町村に限定、民間業者や社会福祉法人への委託もやめる。
参考:日本経済新聞1月10日
2005.01.10 大衆薬で開発連合
日本経済新聞によれば、大正製薬、武田薬品工業、エスエス製薬の大手3社を軸に、一般用医薬品の複数の開発提携が実現する見通しとなったという。
具体的には、生活習慣病などテーマごとにそれぞれ開発連合を形成し、基礎研究データを集め、これまで日本の大衆薬にはない予防薬の開発を目指すという。
一般用医薬品市場は、1997年にはメーカー出荷額ベースで約9000億円あったのが、2003年には7000億円を割り込むなど、市場縮小が続いており、これにより大衆薬事業のテコ入れを図るものとみられる。
具体的に開発対象となるのは高血圧症、高脂血症、糖尿病、肥満など生活習慣病に関する予防薬や、精神鎮静効果を持つ医薬品の一つとされるハーブ類など。欧米でも着手して間もない分野で、日本で商品化されていない新たな薬効や成分に絞り込んで研究するという。
厚労省は、2002年に新薬効の一般用医薬品の開発をメーカーに促す指針を出しており、また、病気予防に有効な大衆新薬の普及は医療費抑制の一助になるとみて、これら開発連合の新薬承認申請へに対応するなど、業界の動きを後押しする方針だという。
資料:一般用医薬品承認審査合理化等検討会の中間報告書(2002年11月8日)
参考:日本経済新聞1月10日