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2005.07.29 エキナセア、風邪には無効(米国研究)

2005.07.29 厚労省、C型肝炎の総合対策をまとめる(8/2更新)

2005.07.29 海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.3 No.14

2005.07.26 医薬品・医療用具等安全性情報215号

2005.07.22 足利市、競馬場跡地に日本医療薬科大学の誘致計画を発表

2005.07.20 重篤副作用疾患総合対策事業の検討が始まる(10/4更新)

2005.07.19 オキシドールは、テロ関連物質として管理徹底を

2005.07.19 メタボリックシンドロームを重視した健診制度へ(10/4更新)

2005.07.16 診療報酬改定に、国民の声を反映へ

2005.07.16 海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.3 No.13

2005.07.14 製薬協、「申請価格協議方式」を提案へ(10/19更新)

2005.07.12 FDA、勃起不全薬に対し視力障害に関する情報追加を発表(7/29更新)

2005.07.12 妊娠と薬情報センター、運用開始を目指して準備が進む(10/17更新)

2005.07.09 サリドマイドによる膵臓がんの治験、厚労省認めず

2005.07.08 スポーツ関係者が考える「ステロイド」

2005.07.05 緊急避妊薬の調剤拒否にゆれる米国薬剤師

2005.07.05 英国のOTC事情

2005.07.02 抗うつ剤が成人の自殺衝動も強める可能性、FDAが勧告(7/16更新)

2005.07.02 佐野市、休日診療所で小児科専門医による診療を開始

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2005.07.29 エキナセア、風邪には無効(米国研究)

米国バージニア大学医学部の医師らの研究チームは、8月28日付のthe NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINES誌に、日本でも免疫力を高め、感染症に有効として知られる「エキナセア」について、「風邪(ライノウイルス)の感染に対する重要な効果は医学上ない」との研究をまとめた。

An Evaluation of Echinacea angustifolia in Experimental Rhinovirus Infections
   http://content.nejm.org/cgi/content/short/353/4/341

研究は、437人のボランティアの鼻の中にライノウイルスを滴らして、1週間エキナセアを飲んだ群とプラセボを飲んだ群に分けて比較したもの。ニューヨークタイムス紙によれば、米国の約1500万人の人が、このエキナセアを愛用し、2004年の販売額も1億5500万ドルに達していると伝え、他のメディアもこの研究結果を大きく伝えている。

参考:WEB日本消費者新聞7月29日
     http://www.jc-press.com/kaigai/200507/072901.htm
   New York Times 2005.7.28

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2005.07.29 厚労省、C型肝炎の総合対策をまとめる

27日、厚労省の第7回C型肝炎等総合対策等に関する専門会議が開かれ、現在は40歳以上を対象としている保健所での無料検査について、希望者は40歳未満でも検査を受けられる体制に整えるとともに、現在は保険未適応のインターフェロンについて、肝硬変や肝がんについても保険適応を求めることなどを記した、報告書案を取りまとめた。

「C型肝炎対策等の一層の推進について」
  (C型肝炎対策等に関する有識者会議報告書)の公表について(厚労省8月2日公表)
      http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/08/h0802-2.html

報告書では、まず新たな感染者の発生状況、検査、治療、普及啓発など、C型肝炎対策等をめぐる現状を示したうえで、いくつかの対策案を示している。

まず、感染防止対策としては、感染防止マニュアルの見直しや改訂とマニュアルの普及啓発の必要性を示すとともに、刺青をしたりピアス用の穴を開けたりする場合に感染する危険が指摘されていることから、知識の普及や注意喚起をおこなっている。

また、治療については、専門外の医師や患者にも分かりやすい肝炎の診断と治療に関するガイドラインを作成と普及の必要性を提言し、欧米において標準的に使用されている医薬品や治療法については、欧米並みに使用できるよう、速やかに治験を進めるとともに、我が国における医療上の有用性等が高いものは優先審査の対象とするなど、速やかに薬事承認・保険適用を進めていくべきとしている。

この他にこの報告書では、患者への情報提供のあり方を示すとともに、一般国民に対して、「C型肝炎ウイルス検査の受診勧奨」「感染の予防」「日常生活や就職面での差別をなくすことなどの人権への配慮」の3点に主眼をおいた普及啓発を拡充すべきであるとしている。

資料:第7回C型肝炎対策等に関する専門家会議(2005年7月27日開催)資料
    第6回C型肝炎対策等に関する専門家会議(2005年7月1日開催)
          厚労省資料(今後のC型肝炎等総合対策に関する論点整理が掲載)
    第5回C型肝炎対策等に関する専門家会議(2005年5月25日開催)
          厚労省資料 WAM NET資料
    第4回C型肝炎対策等に関する専門家会議(2005年5月9日開催)
          厚労省資料 WAM NET資料
    第3回C型肝炎対策等に関する専門家会議(2005年4月12日開催)資料
    第2回C型肝炎対策等に関する専門家会議(2005年4月4日開催)資料
    第1回C型肝炎対策等に関する専門家会議(2005年3月3日開催)資料

関連情報:平成16年度肝炎ウイルス検診等の実績について(厚労省平成17年7月27日公表)
        http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/07/h0727-3.html

参考;共同通信7月28日記事

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2005.07.29 海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.3 No.14

国立医薬品食品衛生研究所・安全情報部は、7月28日、医薬品安全性情報(海外規制機関 医薬品安全性情報) Vol.3 No.14を公表しました。

バルデナフィル(レビトラ)、シルデナフィル(バイアグラ)、フェンタニル経皮パッチ(ヂュロテップパッチ)、メドロキシプロゲステロン(プロベラ・ヒスロン)、スタチン類、COX-2 阻害剤などの情報が掲載されています。

     目次はこちらです。 全文はこちら(PDF)です

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2005.07.28 医薬品・医療用具等安全性情報215号

厚労省は7月27日、医薬品・医療用具等安全性情報215号を公表しました。

エチオナミド(ツベルミン)による劇症肝炎・急性肝炎、エトドラク(ハイペン・オステラック)による皮膚粘膜眼症候群、塩酸ゲムシタビン(ジェムザール)による心筋梗塞・皮膚障害、 オメプラゾール(オメプラール・オメプラゾン)による血小板減少症・急性腎不全などの情報が掲載されています。

詳しくはこちらです。

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2005.07.22 足利市、競馬場跡地に日本医療薬科大学の誘致計画を発表

21日、足利市は定例の記者会見で、足利競馬場の跡地利用案として、公的医療機関と医療福祉系の高等教育機関が相互に連携する医療・保健・福祉の複合拠点の整備として、日本医療薬科大学(仮称)の誘致計画を発表した。

     市長記者会見7月21日(足利市HP)

構想では、保健医療学部に看護、理学療法、作業療法、言語聴覚療法の4学科、薬学部に薬学、製薬の2学科を設置する。大学としては中規模の定員2560人を予定しているという。

大学設立の母体となるのは、医学博士で慶応義塾大学医学部精神神経科医師の作田勉氏(62)を会長とする同大設置準備会で、すでに昨年の10月から活動を行っていた。今後は、寄付金の受け皿となる大学設置準備財団設置の認可を文部科学省に申請し、さらに学校法人と大学設置の認可手続きを進めて、2008年4月の開学を目指すという。

各紙によれば、大学が進出した場合には、跡地を無償または賃貸で提供するなどして、市長の任期内での実現を目指しているが、エリア内の都市公園の移転や、数百億円ともいわれる設立資金に対する市の財政支援などの多くの問題もあり、一定の準備期間は必要とも報じられている。

参考:東京新聞栃木版7月22日、毎日新聞栃木版7月22日
    下野新聞・読売新聞栃木版にも記事あり

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2005.07.20 重篤副作用疾患総合対策事業の検討が始まる

7月19日、「重篤副作用総合対策検討会」の第1回会合が開催され、重篤副作用総合対策事業が行われることになった。厚労省HPに資料が掲載されたので紹介したい。

    第1回重篤副作用総合対策検討会資料(平成17年7月19日開催)
          議事録(10月3日掲載)  資料

本事業の目的で、「副作用は、臨床医の専門分野とは異なる臓器にも発生し得ることがあり、また重篤な副作用の発生頻度は一般に低く、個々の臨床医によっては副作用に遭遇する機会が少ない場合があり得ること等から、場合によっては発見が遅れ、重篤化することもある」と指摘し、医薬品ごとに発生した副作用を収集・評価して、臨床現場に注意喚起するという、従来までの 「警報発信型」「事後対応型」から、副作用発生機序解明研究等を推進することにより、「予測・予防的な安全対策」への転換を図ることが示された。

今後の事業の進め方としては、まず第一段階として、平成17年度から関係学会の専門家等と連携を図り、専門分野別(皮膚、肝臓、腎臓、血液、呼吸器等)に作業班を設置、重篤度等から判断して必要性の高いと考えられるおよそ120の副作用疾患について、医療現場の医師、薬剤師、看護師等が活用する治療法、判別法等を包括的にとりまとめた「重篤副作用疾患別対応マニュアル(仮称)」を、4年計画で作成する。これらの情報は、医薬品医療機器情報提供ホームページにも掲載する。

また第二段階としては、副作用症例の集積や詳細な解析を積み重ねることにより、発生リスクが高い患者群(例:性別、年齢等)を明らかにし、当該患者群に対して慎重な投薬管理を行うことが可能となるようにマニュアルの改訂を行う。

そして第三段階として、第二段階までの成果の蓄積から発生機序解明の可能性の高いものを選定した上で、リスク因子の解明と副作用の発生機序研究を計画的に推進する。検討会では、これらの事業を通じて、発生リスクの高い患者群への投薬の回避や、副作用の発現を低減した新薬の開発が可能となるとしている。

なお、今回の検討会では、皮膚粘膜眼症候群・重篤な肝障害・無顆粒球症・うつ状態・横紋筋融解症など12分類29の副作用症状が、初年度作成候補として示され、マニュアル作成に向けて作業を進めていくことが決まった。

参考:日本経済新聞7月20日
    薬事日報7月21日

関連情報:TOPICS 2005.2.14 医療機関向け副作用マニュアル、厚労省作成へ

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2005.07.19 オキシドールは、テロ関連物質として管理徹底を

今月7日の英国で起きた同時爆破テロを受け、日本でも政府が国内のテロ対策の強化が急がれていますが、日頃、薬局薬店で販売されている「オキシドール」が、爆発物の原料となる化学物質として、管理の強化等の徹底が求められていることを皆さんはご存知でしょうか?

政府が昨年12月に決定した「テロの未然防止に関する行動計画」では、「速やかに講ずべき対策」として16項目が掲げられていますが、その中の1項目で、過酸化水素(オキシドール等)が誰でも容易に入手できるという現状を指摘、厚労省等に管理の強化についての指導を求めているのです。

そして、3月29日付けの厚労省医薬食品局長の通知(日薬雑誌、平成17年5月号の告知欄に掲載)で、「薬局開設者及び医薬品一般販売業者に対し、過酸化水素製剤について、盗難防止措置の徹底等当該製剤の適切な管理につき改めて指導するとともに、一般消費者に当該製剤に当たっては、必要に応じて、身元及び使用目的に不審がある者、使用目的があいまいな者など当該製剤の安全な取り扱いに不安があると認められる者には、販売を差し控えるともに、当該者の不審な動向について速やかに警察に通報すること」などを日薬に求めています。

日本では、悪用する人などいないだろうと思っても、今はあらゆる手段で情報を入手し、悪用することも可能な時代です。こういった勢力の手助けをすることないよう、オキシドールの大量購入者には、私たちは細心の注意を払うべきでしょう。

参考:読売新聞7月18日

   テロの未然防止に関する行動計画
      (平成16年12月10日 国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部)
      http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sosikihanzai/kettei/041210kettei.pdf

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2005.07.19 メタボリックシンドロームを重視した健診制度へ

共同通信は、厚生労働省が18日までに、健康診断の在り方を抜本的に見直し、血圧や血糖値、血中脂質など基本的な項目をまず検査し、異常があれば改めて詳細な項目を調べるという「2段階方式」に変更する方向で検討に入ったと伝えている。近く設置される有識者による検討会で9月頃までに指針を策定し、具体的な受診項目や事後指導の方法などを検討するという。

現在、検診の受診率は職場で行われるものが7割程度、老人保健法に基づき市町村が40歳以上の主婦や自営業者らを対象に実施されるものが4割程度にとどまっており、また、「特に異変がない人に十数項目の検査が必要なのか」という意見が出されていた。

厚労省の見直し案では、生活習慣病と密接に関係のある「メタボリックシンドローム」に着目し、まず胴囲・血圧・血糖値・血中のコレステロールや中性脂肪の検査に加え、問診を実施、異常が見つかった時に、2次検診として肝機能や腎機能などを調べるという、「2段階方式」になるという。

資料:第1回生活習慣病健診・保健指導の在り方に関する検討会(2005年7月25日開催)
    議事録:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/07/txt/s0725-1.txt
     資料:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/07/s0725-7.html

   資料2-2:厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会におけるこれまでの議論の整理
       http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/07/s0725-7c.html
   資料2-3:生活習慣病対策の総合的な推進について
       http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/07/s0725-7d.html
   資料4-2:今後の健診・保健指導の方向性(イメージ案)
       http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/07/s0725-7g.html

   第2回生活習慣病健診・保健指導の在り方に関する検討会(2005年8月4日開催)
     議事録  資料(厚労省、一部HTML) 資料(WAM NET)
   第3回生活習慣病健診・保健指導の在り方に関する検討会(2005年8月26日開催)
     資料(厚労省 HTML)   資料(WAM NET)
   第17回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会(2005年8月29日開催)
     議事録  資料
   第18回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会(2005年9月7日開催)
     議事録  資料

関連情報:TOPICS 2005.4.9 メタボリックシンドロームの診断基準が公表

参考:共同通信7月19日

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2005.07.16 調剤報酬改定に、国民の声を反映へ

13日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会が開かれ、2006年度診療報酬改定に向けたスケジュール案が提示された。

第67回中央社会保険医療協議会総会資料(平成17年7月13日開催)(WAM NET 7月14日掲載)

スケジュール案によれば、12月末に内閣がまず、予算編成過程において診療報酬等の改定率を決定、来年1月頃には、具体的な診療報酬点数の設定に関わる調査・審議が予定されているが、この後の過程で今回初めて、国民に広く意見を求めるため、パブリックコメントを実施する方針が示された。厚労省への答申はこれを踏まえた上で、2月〜3月に行われる見込み。

これにより、私たち現場の生の声を反映することができる一方、調剤報酬のここ数年の突出した伸びから、国民その他から調剤報酬への厳しい意見も予想される。

また、平成18年度診療報酬改定に向けた検討項目例(議論のためのたたき台)として、「後発品の使用促進のための環境整備の検討」も掲げられており、今後が注目される。

参考:共同通信7月13日
    薬事日報7月15日記事

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2005.07.16 海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.3 No.13

国立医薬品食品衛生研究所・安全情報部は、7月14日、医薬品安全性情報(海外規制機関 医薬品安全性情報) Vol.3 No.13を公表しました。

COX-2選択的阻害剤、NSAIDS、ゲフィニチブ(イレッサ)、抗うつ剤、非定型抗精神病薬、フェンタニル経皮パッチ(ヂュロテップパッチ)、イブプロフェン、メフロキン(メファキン)、チオリダジン(メレリル)などの情報が掲載されています。

目次はこちらです。 全文はこちら(PDF)です

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2005.07.12 製薬協、「申請価格協議方式」を提案へ

日本製薬工業協会(製薬協、青木初夫会長)は13日、記者会見を行い、安全性や有効性などの承認を受けた後、製薬会社が自ら新薬の薬価の申請価格を算定し、薬価算定組織での討議に参加して意見を表明できるようにするという「申請価格協議方式」(仮称)案を公表した。

製薬協では、新薬発売時に製薬会社の希望を反映しやすい仕組みを目指して、7月27日に開かれる、中央社会保険医療協議会(中医協)の薬価専門部会にこれを提案する。

現在は厚労省が一定のルールに基づいて薬価の原案をつくり、中医協で議論して薬価を決めているが、今回の製薬協の案では、製薬会社は厚生労働省や中医協と申告価格をもとに妥当性を議論し、また製薬会社も薬価案の根拠を説明する責任を負った上で、国が薬価を決める仕組みになる。

資料:新薬の価値を反映する薬価制度−申請価格協議方式の提案−
    (医薬産業政策研究所 リサーチペーパーNo.28 2005年7月)
     http://www.jpma.or.jp/opir/research/article28.html

    新薬の価値を反映する薬価制度−申請価格協議方式の提案−
    (政策研ニュースNO.18、医薬産業政策研究所2005年10月)
     http://www.jpma.or.jp/opir/news/news-18.pdf

参考:日本経済新聞7月13日、薬事日報7月15日

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2005.07.12 FDA、勃起不全薬に対し視力障害に関する情報追加を発表

7月8日FDAは、市販後報告に基づき、シルデナフィル(バイアグラ)・バルデナフィル(レビトラ)などの勃起不全薬について、関連性は認められないもの、視神経に血液が流れにくくなっておこる、非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)発症の可能性があることを記した、ラベル(添付文書・患者向け情報)の変更について、合意したと発表しました。

FDA Updates Labeling for Viagra, Cialis and Levitra
  for Rare Post-Marketing Reports of Eye Problems
       http://www.fda.gov/bbs/topics/NEWS/2005/NEW01201.html

今回改められる、患者向け情報(Patient Infomation Sheet)では、“vision changes, such as seeing a blue tinge to objects or having difficulty telling the difference between the colors blue and green”と、視覚障害の具体的な症状が示されています。

   Viagra (sildenafil citrate) Information
       http://www.fda.gov/cder/consumerinfo/viagra/vIAGRA.htm

Patient Information Sheet Sildenafil citrate (marketed as Viagra)
       http://www.fda.gov/cder/drug/InfoSheets/patient/sildenafilPIS.htm

日本語訳は、海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.3 No.14に掲載されています。

現在の日本の添付文書では、網膜色素変性症については、禁忌とされていますが、ある書物では、「シルデナフィルは薬効上、PDE5だけではなく、網膜視細胞にあるPDE6も阻害する可能性がある。視神経にダメージを持つ人の場合にはさらに視神経を傷めてしまうことがあるので、糖尿病性網膜症などの網膜性疾患の人も避けた方がよいのではないか」という専門家の意見が紹介されています。

なお、発売元のファイザー社は、今回の症例についてのコメントをHPで発表しています。

   Pfizer Said Review of All Ocular Event Reports Concludes No Evidence
    of Increased Risk of Blindness Among Viagra Patients
英語原文:http://www.pfizer.com/pfizer/are/news_releases/2005pr/mn_2005_0627a.jsp
日本語訳:http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2005/2005_06_30.html

関連情報:TOPICS 2005.05.28 バイアグラ服用で、深刻な視力障害か

参考:大和田潔:副作用その薬が危ない,祥伝社新書 239-246(2005.7)

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2005.07.12 妊娠と薬情報センター、運用開始を目指して準備が進む

7月7日、第2回妊婦の服薬情報等の収集に関する検討会が開催され、「妊娠と薬情報センター事業」についての検討が行われた。厚労省HPに当日配布の資料が公開されたので紹介したい。

  第2回妊婦の服薬情報等の収集に関する検討会議事録 (厚労省 9月5日掲載)
   第2回妊婦の服薬情報等の収集に関する検討会資料  (厚労省 7月15日掲載)

上記資料によれば、現在、妊娠と薬情報センター事業は、国立成育医療センターにおいて、平成17年10月の地域限定での運用開始を目指して準備がすすめられている。

センターでは、科学的検証が済んだ客観的文献情報(トロント小児病院マザーリスク・プログラムのステートメント、文献情報、厚生労働省に報告される研究報告などを活用)を提供することを基本的スタンスとし、今後、文献情報の要約したものである「薬剤情報データベース」の作成や、患者向けには要約した「成育サマリー」の提供を行っていく案が示された。

今後は、情報収集、相談業務の充実を目的として、国内外の医療機関との連係の方法についても検討し具体化していく。

関連情報:TOPICS 2005.01.22 「妊婦のためのクスリ情報センター」構想
    第3回妊婦の服薬情報等の収集に関する検討会(8月24日開催) 議事録 資料

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2005.07.09 サリドマイドによる膵臓がんの治験、厚労省認めず

5月23日のTOPICSで、「サリドマイド、膵臓がん治療に-医師主導の治験実施へ」と紹介しましたが、厚労省は6日までに、「製薬会社と契約がなく、一定の品質を確保した薬が使われるか不明。薬の有害事例情報の迅速、的確な入手も難しい薬を提供する製薬会社との契約がなく、安全性が確保されていない」と指摘し、また血栓症や心血管障害の危険性が報告されていることも挙げ、治験を届け出た愛鷹病院に対し、治験を実施しないよう行政指導したと共同通信が伝えています。

参考:共同通信7月6日

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2005.07.08 スポーツ関係者が考える「ステロイド」

日薬は7月6日、先月10日に公開した「薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイドブック 2005年版」の関連情報として、『ステロイド』って何?-医療関係者とスポーツ関係者の違い-をHPに掲載した。

本情報によれば、世界アンチドーピング機構が指定する禁止リストの2005年版では、皮膚外用剤に限って、副腎皮質ステロイドがリストから除外され、事前申告なしでの使用が可能になったが、スポーツ関係者の中には、「ステロイド」という言葉から、アナボリック(蛋白同化)ステロイド含有の外用剤の使用もOKになったと勘違いする可能性があるとしている。

日本では、トノス、オットピンなどの男性ホルモンであるテストステロンやメチルテストステロンを含有する皮膚外用剤が販売され、また海外などでは、禁止物質であるアナボリック(蛋白同化)ステロイドの軟膏、パップ剤やクリーム状の栄養補助食品も販売されていて、勘違いによるこれらの誤用の可能性が考えられる。

本情報では現場の薬剤師がスポーツ関係者に対し、適切なアドバイスを行うように注意を呼びかけ、『うっかりドーピング』も防いでいかなければならないと結んでいる。

『ステロイド』って何?---医療関係者とスポーツ関係者の違い(日薬HP)
      http://www.nichiyaku.or.jp/contents/antidoping/pdf/steroid.pdf

関連情報:TOPICS 2005.6.10 日薬、アンチ・ドーピングガイドブックを公開

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2005.07.04 緊急避妊薬の調剤拒否にゆれる米国薬剤師

bmj誌によれば、米国では今、信仰や道義上の理由で、モーニング・アフターピル(MAP、緊急避妊薬)の調剤を拒否する薬剤師が続出し、医師会などの関係者が調整に乗り出したと伝えています。

MAPとは、レボノルゲストレルを含む黄体ホルモン剤(性交後72時間以内の服用が必要)で、レイプやコンドームの破損などで緊急の妊娠回避が必要なときや、10代の中絶対策として、既に仏・英国・豪州・ニュージーランドなどではOTCとしても承認されています。

MAPは、望まない妊娠を回避する最後の手段として、国際的に高い評価を受けている一方で、カトリック信者が多い米国では、MAPの使用自体が、中絶にあたるのではないかとして、ドラッグストアなどに勤務する薬剤師が、信仰上を理由にして調剤を拒否したり、中には処方せんを破ったりしたうえで、薬を必要とする本人にモラルに訴えることもあるようです。

米国では、これらの問題についての州の対応は実にさまざまです。州法でこういった理由でのMAPの調剤拒否を認めるところもあれば、認めない州もあります。イリノイ州では州の命令に反対して薬剤師が訴えをおこすなど、中絶論争も絡んで、大きな政治問題になっているようです。

初めは一部にすぎなかった薬剤師のこういった行動が最近では目立つようになり、一部の州ではMAPを非処方せん薬にする、医師による調剤を例外的に認めるなどの対応策をとっています。一方、WEBのニュース記事でも、薬剤師に調剤を断られて、妊娠していないかどうかの不安に何日も駆られたという体験記事をいくつも見ることができ、薬剤師に対してかなりの批判が感じられます。

確かに、高用量のホルモン剤ということで安全性に疑問を投げかける研究者もいますが、今回のように使用による有害反応の可能性を考えての調剤拒否ではなく、信仰や道義上を理由として、薬剤師が調剤を拒否することが果たしてできるものなのでしょうか? 

日本ではおそらく認可されたとしても、院外処方されることは考えにくいですが、このMAPを正しく使うためには、ピルと同様きちんとした薬剤師によるサポートは間違いなく必要です。私たちにとって今まで無縁だった、性教育や宗教の問題も、近い将来、避けて通れない問題なのかもしれません。

参考:NEWS BMJ  2005;331:11 (2 July),
    American Medical Association fights pharmacists
     who won't dispense contraceptives
      http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/extract/331/7507/11-b
    NEWS BMJ  2005;330:983 (30 April),
    Emergency contraception is under attack by US pharmacists
      http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/extract/330/7498/983-a
    緊急避妊薬をめぐり迷走する米国の論争
      http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050518305.html
       http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050519307.html
    水島広子の国会質問(2002年7月17日)
      http://www.mizu.cx/sitsumon/kosei/kosei020717.html
    機関紙より(社団法人 家族計画協会)
      http://www.jfpa.or.jp/02-kikanshi1/578.html   
    Can Pharmacists Refuse to Fill Prescriptions?
      http://legalaffairs.org/webexclusive/debateclub_morningafter0405.msp

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2005.07.04 英国のOTC事情

英国では、OTCに関して先月2つの大きな動きがありました。

一つは、処方せん薬から次々とスイッチされる英国におけるOTCの現状、OTCと患者・ユーザーとの関わり、OTCのベネフィットとリスク、医療専門職(薬剤師・医師・看護士)の役割、情報提供のあり方などについて記した、“Over the counter medication”というタイトルのレポートを、The British Medical Association(BMA:英国医師会)が発表したことです。このレポ−トは、WEB上でも大きな話題になっています。(PDFまたはHTMLで見ることができます)

  Over the counter medication
     http://www.bma.org.uk/ap.nsf/content/OTCmedication

このレポートでは、ハーブと医薬品の相互作用などを例に挙げて、OTCにもリスクがあるので、大衆及び医療専門職(医師)に対して、OTCについての教育プログラム(traininng)が必要であると述べるとともに、OTCの使用についても記録が大切であり、電子化したものを医療関係者が共有できるようにすべきと述べています。

もうひとつは、2004年に処方薬(POM)から、薬局販売医薬品(P)にスイッチされたシンバスタチン(英国販売名:Zocor Heart-Pro、1錠10r、1包装28錠入りに制限)の問題です。

このシンバスタチンのスイッチにあたり、MHRA(英国医薬品医療用製品規制庁)は約100の関係団体の意見を聞き、昨年には回答者のおよそ3分の2が今回のスイッチに賛成であったと公表していました。しかし、英国の消費者団体である"Which?"が、「賛成意見を誇張しすぎる」との意見を示したことから、MHRAは再調査を実施、賛成は3分の1であったと発表を訂正するとともに、寄せられた意見や関係者の見解について、同意をしなかったもの以外のすべてについて、ウェブサイトへの掲載に踏み切りました。

  The reclassification of simvastatin 10mg(MHRA)
    http://medicines.mhra.gov.uk/inforesources/publications/arm18responses.htm

上記ページでは、一般の意見の他、関係団体の見解を、賛成・反対・条件付き賛成など細かく分けて、公表されており、医療関係者・消費者がどのような立場で今回のシンバスチンのスイッチを考えているかがわかり、大変興味深いものがあります。

参考:More training on OTC medicines needed, says BMA
      (PJ Online News 2005年6月18日)
     http://www.pharmj.com/Editorial/20050618/news/p749otcmedicines.html
    WEBニッポン消費者新聞(6月9日)
    医薬品規制の徹底見直し要請、心臓病薬の大衆薬化の「誤り」踏まえ=英Which?
      http://www.jc-press.com/kaigai/200506/060901.htm
    OTC simvastatin response mix up(PJ Online Newa 2005年6月11日)
     http://www.pharmj.com/Editorial/20050611/news/p700simvastatin.html

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2005.07.02 抗うつ剤が成人の自殺衝動も強める可能性、FDAが勧告

FDAは1日、抗うつ剤が大人の自殺衝動を強める可能性が最近の複数の研究で指摘されたとして、服用する際は症状の悪化や自殺傾向などを慎重に監視するように勧告した。

FDA Reviews Data for Antidepressant Use in Adults (FDA TALK PAPER)
     http://www.fda.gov/bbs/topics/ANSWERS/2005/ANS01362.html

 Suicidality in Adults Being Treated with Antidepressant Medications
   (FDA Public Health Advisory)
     http://www.fda.gov/cder/drug/advisory/SSRI200507.htm

日本語訳は、海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.3 No.13に掲載。

小児への抗うつ剤への使用については、既に一部薬剤で自殺傾向を強める可能性が明らかになっているが、FDAでは成人についても今後約1年をかけ、臨床データや有害事象の有無などを検討し、製品への警告表示などを検討していく。

また医療専門職に対しても、抗うつ剤を初めて服用する際や、有効成分の量が変わった時の体調、精神状態の変化に注意し、自殺を考える回数が増えたなどの変化があれば医師の診察を受けるように求めている。

関連情報:Antidepressant Use in Children, Adolescents, and Adults(FDA)
      http://www.fda.gov/cder/drug/antidepressants/default.htm

参考:共同通信7月2日記事

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2005.07.02 佐野市、休日診療所で小児科専門医による診療を開始

佐野市では7月より、市民からの要望を受け、年末年始・休日の午前9:00〜午後4:30の時間帯は、「佐野休日・夜間緊急診療所(佐野市植上町1677 佐野医師会病院内 0283-24-3337)」に小児科専門医を常駐させることになった。

これは、不安を感じる乳幼児をもつ親などからの強い要望を受けた市が、佐野医師会の協力を得て実施にこぎつけたもので、市内に5つある小児科開業医が、当番で対応にあたるという。休日診療での小児科対応は、県内では宇都宮市に次いで二番目となる。

東京新聞によれば、これにより、重度の患者のみを担当する佐野厚生病院や佐野市民病院に小児患者が集中していた状況も緩和される見込み。なお、市外の患者も積極的に受け入れる方針とのこと。

佐野市HP 休日・夜間緊急診療所
       http://www.city.sano.tochigi.jp/komoku/kenko/02/01.html

参考:東京新聞栃木版7月2日

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