第96回目を迎えた全国高校野球選手権大会。これも毎年8月の恒例行事だ。甲子園球場では全国から選ばれた49校の若人が、今年もまた新たな“ドラマ”を数多く展開してくれた。
私は高校2年・3年時、卓球競技でインターハイや全日本ジュニア選手権に栃木県代表として出場していたが、当時も高校野球の社会全般の扱いは別格に高いものだった。しかし、種目は異なってもスポーツの精神は同じであり、このテレビにより自身の青春が何回となく重なった。
私はテレビでこの頃、プロ野球はあまり観戦していないが、なぜか高校野球だけは観る。若人が母校や郷土の期待を背負い、純粋に心身を精一杯燃やし、最後の最後まであきらめず、歯を食いしばって戦う姿勢が何とも美しいからだ。今年もまた、後半戦の逆転による決着が多かったのも甲子園ならではの特徴に思える。
各チームの選手・監督・コーチはもとより応援団、いや、もっと多くの関係者を含め、勝っても負けても涙を流す顔々には、邪心が全く感じられない。私はここに大きな感動を覚える。栄光を獲得したのは大阪桐蔭高校だったが、私たちに“濁りのない光”を放ってくれた出場校すべてに“ありがとう”と感謝したい。「君たちはスポーツマンでしか味わえない悲喜を知る幸福者。君たちの前途は必ずや明るい」と言ってやりたい。
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