2014年3月

大雪とソチ五輪

 2月は近年稀な2回の大雪に見舞われ、私ども夫婦は、この除雪作業等にかなりの時間を費やした。古民家に降雪する風情は大好きだが、積雪はせいぜい10cm位まででいいと、私はつくづく思った。
 森林の間伐作業は通常、冬場ははかどるはずだが、肝心の林道等の残雪が凍結、山に入れない状態が続いたのは残念だった。
 しかし一方、ソチ五輪が開幕するや否や連日の熱戦、私はテレビ報道に見入った。スキーは、若き27歳の時にSAJ公認1級の資格を取得しているので、いささかだが理解できるつもり-で。
 一口にスキー・スケート、あるいは冬季スポーツと言っても、種目は多彩で多岐にわたっている。世界の頂点を極める、スポーツの戦いの美しさを改めて実感し、感動に次ぐ感動の日々だった。私はスポーツやスポーツ選手をドラマやドラマの主人公として捉える習慣があるが今回も、傑出したドラマを見ているような錯覚すら覚えたのである。
 技術・体力・精神力、選手・監督・コーチ・スタッフ、家族・仲間・友人・ライバル、国旗・日の丸、努力・挑戦・失敗・限界等々。
 日本代表選手のメダリストは、15歳もいれば40歳を超える人もいたが、どの選手も命運をかけ、素晴らしい戦いぶりを披露してくれた。とりわけ19歳の羽生結弦の金メダルはあっぱれ、また、浅田真央の奇跡とも言えるフリーの演技は、世界の人々を魅了した事だろう。悔しさを根性ではねつけた、完璧で涙のシーンは、さすがに真央ちゃんだった。
 困難に際してもくじけず、諦めず、焦らず、ひたすら前進-と、私たちに教えてくれた、ソチ五輪だった。

自治会

 毎年、春が近づくと企業や公的団体をはじめ自治会等、各種任意団体も新年度に向けて準備作業に入る。一般的に事業・会計年度が4月から翌年3月までとなっており、このためだ。各方面からいろいろな“情報・雑音”が入ってくるのも、この時期は格別に多い。
 自治会は全国的に行政町名ごとに構成されているが、これに加入しない住民(以下テナント含む)が増加傾向にある事は否めない。自治会に対する不満や反発、また、わずらわしい付き合いを拒みたい人などもいるが、いずれにしても自治会は基本的に任意団体であり当然、加入の義務はなく、強制されるものでもない。あくまでも住民それぞれの意思に基づき、結果的に自治会が構成されている事が原点だ。地域を緩やか、かつ民主的に自ら治めていくのが自治会本来の使命だろう。最近は構成メンバーの年齢を主な基準に“限界集落”との表現が学会・マスコミ等で、また、行政の下請け末端組織とも広く言われたりするが、これにも増して近隣に信頼関係を共有できない場合は、もはや地域・自治会が崩壊しているのと同然だ。
 自治会を強権的組織と勘違いしている御仁も時々見受けられるが、これは大変な間違いで、我が国は「法治」を基底とする自由主義社会である事を忘れてはならず、また、どなたであれ「基本的人権」が尊重されなければならない事は、私たちの基本法・憲法が保障しているところである。
 事の善悪は別として、地域とうまくやれない人をいわゆる“村八分”とした時もあったと耳にするが、今や葬式関係一切を業者が切り盛りする時世となり、行政情報はインターネット、人的交流はモータリゼーションの浸透で広域化―と、人々の自治会への帰属意識は著しく減退している。自治会に所属しなくても、自治会の行事以外では、わずかな差別も認められないのだ。
 人口減少、超高齢社会に向かう今、自治会の近代化と真の在り方を模索する、絶好の機会が到来しているのではないだろうか。