11月10日(月)、高倉健さんが83歳で逝く。極めて残念。「不器用・正義・男」を演じ続けた名優。網走番外地、昭和残侠伝、八甲田山、動乱、南極物語、冬の華、ブラックレイン、幸福の黄色いハンカチ、駅、居酒屋兆冶、ホタル等々205本に主演。あなたへ、が遺作となった。私は「あなたへ」を3回も観た。特に40歳代後半、東映を離れた後の健さんの映画は格別にいい。まさに我が国を代表する映画スターの1人だった。文化勲章受章。
私は青春時代よりズーと健さんのファンである。「自分が納得できるストーリー、役柄でないと演じられない」と語っていた健さん。映画は娯楽であり、芸術でもあるが、俳優としての日常の生き方、考え方も重なって映像に迫力を与えていたのではないだろうか。
普段は結構話し好きで冗談を飛ばし、人への気配りも細やかだったようだが、映画では寡黙の場面が多く、姿・目・表情・しぐさなどでの心中の表現はいつも見事だった。カッコ良さ、だけではない何かが健さんにはあった。
私は市職員だったある時期によく口にしていた言葉がある。「公務員(勤め人)だって今、ドラマの中でそれぞれの役割を演じているのと同じだ。どうせだったらこの役柄に徹し、面白いドラマを展開しようではないか。筋書きがあって、筋書き通りいかない仕事・ドラマがいいなぁ」―と。
健さんの新作映画をもう観る事ができなくなって残念だが今後も、テレビや映画館での205本の放映が末永く適時・適切に行われるよう、私は大いに期待しているところである。合掌。
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