今年も当館で11月上旬、第3回目の現代アート・CON展が開かれた。出品作家にはニューフェイスがいたりゲストがいたり多少入れ替わるが、大半はお馴染だ。ただし、作品は毎年趣向が凝らされ、今回も新鮮だった。生活のアート化、アートの生活化を目指すグループCON展は、無料公開であり、現代アートや古民家に関心を持つ市内外の人々で賑わいを見せた。
今年の特筆すべき点は「名草の山 野外展示ツアー」を企画し、実行された事。名草の山は私どもの所有林で当館から北へ車で20分ほどかかる。初日をこのイベントとし盛況だったが、期間中も毎日「山に行ってみたい」と希望する人が予想数をはるかに超え、嬉しい悲鳴を上げながら主催者側が送り迎えしていた。入山者は里山の自然環境がもたらす美味い空気を吸いながら、森林とアートのコラボが繰り広げるハーモニーに気分の高まりを寄せ合っていた。
同メンバーの小沢千恵子さんに伝えた事がある。「えー、山ですか?うちの山はその辺の普通の山ですよ、八ヶ岳とはまったく違いますよ、いいんですか?」―と。
私は山の所有者であり、森林での作業や散策が嫌いではない。しかし、最近の山は山菜採り、山イモ掘り、不審な不法投棄者に行き会う程度でほとんど人が入らなくなっているが今回、CON展のお陰で山が“賑わった”事に私は異常に喜んだのである。きっと森林に対する理解者が増えるかもしれないと期待し感謝、感謝!
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