夏を代表するサルスベリの花が咲いた。花を100日も咲かせるので百日紅(ひゃくじつこう)とも呼ばれる。木登り上手のサルですら滑って登る事ができないと、この名前が付いたとの事。年々、幹・枝・花もしっかりしてきた。原産は中国のようだが、日本では古くから親しまれているらしい。
このサルスベリには特に私の想い入れがある。1982年(昭和57年)8月1日に父が他界したが、この頃大型台風が関東を襲い、この影響で庭園西側にあったサルスベリの古木・大木が同日、幹の中段から折れて道路上に倒木した。その後残った幹を現在地(正門近く)に移植したが、これまた倒木、根元を残すのみとなってしまったのである。翌年、根元から芽生えた数本の苗木を以後大切に育て、7、8本を順次5本、3本、2本、1本とした。一見2幹立ちのように見えるが1幹立ちで今、これが立派に成長し、写真のように多くの花を咲かせるようになったのは嬉しい。父の形見、我が家の新生サルスベリ、樹齢20年といったところか。
1901年(明治34年)、県内有数の多額納税者の長男として誕生した父は第2次世界大戦敗戦後、私が生まれた1946年(昭和21年)11月、GHQの指導による国税・財産税の賦課で総資産の70%を失い、またその後、同じくGHQの指導による農地改革で田畑の大半を失った。
このサルスベリを見るに付け、父なりの波乱万丈の人生を想うと同時に、子として感謝の念を強く抱くのである。
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