コスプレ

 10月の記念館は、撮影スタジオとしての利用者が結構あった。NHK・BSドラマもそうだが、多くは若者・コスプレイヤーである。
 コスプレとは、アニメやゲームなどに登場する人物やキャラクターに扮する行為を指す。コスプレを行う人をコスプレイヤーと呼ぶ。アメリカではハロウィーンで仮装する伝統があるが、現在では「日本発の新たな文化」と言われ、今や国内のみならず欧米やアジア諸国にも広がりを見せている。私が小・中学生当時、運動会での仮装行列は、人気行事の1つだった事を覚えている。
 記念館には、東京・神奈川・千葉・埼玉、また、遠くでは大阪からの来館もあった。もちろん近くの群馬・栃木は多い。大半の利用者は明るくて礼儀正しく、きちんとしているが、着替えて仮装に転身するや否や、異様な雰囲気を醸し出す。これは、それぞれがテーマの人物・キャラクターになり切ろうとしているのか―と。私はその都度、好きな歌舞伎や映画を思い出す。
 私たちがスポーツや芸能を愛好すると同様に、彼らは大好きな趣味としてコスプレに取り組んでいると思え、現代の若者文化、若者の活力の一端を知る事ができて嬉しい。しかし、一般社会での認知度がまだまだ高いとは言えない事を、彼ら自身が最も良く承知しているとも感じているところである。
 いつの時代に限らず人生の先輩から“今の若者は”と、批判され続けている事実を冷静に鑑みた時、私たちは、彼らのすべてを否定するような“俗人”であってはならないと思っている。