木質燃料ペレット

パレットパレットパレットパレット 我が家の森林に通販大手「カタログハウス(通販生活)ソロー事業部」のメンバーが9月上旬、間伐作業のため入った。私の山主の立場としては“実験”の始まりだ。第1回目で今後も間伐は継続される予定。

 この杉・桧の間伐材は、茨城県内に設置された工場で木質燃料ペレットに加工される。“森は待っていたペレット工場”である。間伐材を有効活用する事で、荒れた森林の再生にもつながると期待している。木を粉にして固めたペレットは直径0.6センチ、長さ2センチの円柱形。皮むき、破砕、乾燥、圧縮の4工程を経て産地を表示した10キロ入り袋で出荷される。同社の専用ストーブだと、ペレット10キロで20時間燃焼を続ける。我が家の間伐材は「ソロー栃木(栃木ペレット)」になっていくだろう。

 「ソロー」はアメリカの詩人、博物学者のヘンリー・デイヴィット・ソローの名前に由来する。ソローは代表作「森の生活」の中で、人は生きていくために衣・食・住のほか燃料も必要であると語り、たいていの森にはあらゆる種類の薪や枯れ木が転がっているのに、人を温めるには少しも役立っておらず、返って若木の成長を妨げていると考える人もいる―。「森の生活」の発行は1854年なので、今から160年以上前。その頃すでに石油温水暖房の普及によって森林の手入れが十分でなくなってきた事情を伺わせている。

 この事業はまだ緒に就いた段階であるが、まず茨城県をベースとして基礎を固め、徐々に拡張していく構想らしい。いずれにしても私は、木質バイオマス発電や木質燃料ペレット、同ペレットストーブが社会に普及する事により、環境に優しい自然(再生可能)エネルギーの拡大、また、好ましい森林づくりの進展に寄与するものと考えている。一石二鳥の効果ではないか―と。この年になり、社会貢献、地球貢献に大きく関わるビジネスにいささかでも役に立てたら望外の幸せと今、夢を見ているところである。